昔録音したDATをファイル化しようと思って友人からDATデッキを借りてきて作業しています。仕事が忙しくてなかなか捗っていませんが。(^^; 最初はオーディオインターフェイス経由でPCに取り込もうとしましたがいちいちPCを立ち上げたり、ダビング中に別の作業をして動作が不安定になってエラーが出たりするのも嫌なのでメモリーカードレコーダー
TASCAM DR-680MKII経由でダビングする事にしました。
昔まだお茶の水にあった松尾楽器の2台フルコンスタジオで録音したテープがあっていい音だなあと聴き入ってしまいました。2001年の録音ですが、マイクは
AKG C4000B(ステレオで2本)、DATデッキはパイオニアのポータブル型
D-C88、このデッキは民生用でXLR端子やファンタム電源が付いていないので、安価なARTのマイクプリアンプ
TUBE MPを2台繋いで録音しました。最近は(主に体力上の問題で(^^;)スモールダイアフラムの使用が多くなったのでめっきり使わなくなってしまいましたがC4000Bはやっぱりいい音で収録できますね。マッチドペアではない(そもそもマッチドペアというラインナップは無かった筈)ですがステレオ収録でも全く問題ありません。それに中国製などではなく歴としたMade in Austriaというのも嬉しいポイントです。
改めてネットで調べてみるとC4000BはAKG初(というより世界初だそうです)のラージダイアフラムバックエレクトレットコンデンサー型だそうで、エレクトレットだという事は以前から知っていましたが、某国内メーカーのECMとは雲泥の差です。エレクトレットコンデンサー(特にバックエレクトレット)がピュアコンデンサーに劣るという事はないのですが、某メーカーのECMの品質が低過ぎて悪いイメージが付いてしまい、私もある時点までECMを毛嫌いしていました。エレクトレットの欠点は経年で帯電させた電荷が抜けて使えなくなる事ですが、バックエレクトレットの電荷が抜け切るまでには100年程掛かるようなので(しかも簡単に充電出来るようですし)、内部の回路が故障しない限り自分が寿命で死ぬまで安心して使える事でしょう。(笑)
このマイクを買ってきてテスト録音した時に低音がおそろしく良く収録できてしかも滑らかな音にビックリした事を今でも鮮烈に覚えています。当時の価格が6万円程だったのであまり出回っておらずネットでも記事が少なく、某ナントカ袋であまり使った事もないクセに低評価をしている輩には笑ってしまいました。オーディオ(音響)機器界隈って大して使ったことがなくてもその製品の全てがわかってしまうまさに一を聞いて十を知る「超能力者」で溢れているのですね。道理でオカルトと揶揄される訳だ。(笑)
実際に録音してC414と比べてみると、音離れが良くクッキリしているC414、ソフトタッチでウォームなC4000Bという感じ(言葉で表現するほど極端な差がある訳ではない)ですが、解像力が劣るという事はなく細かい音もキッチリ録れています。同じメーカーだけあって音の傾向は似ており、どちらにも共通して気品のようなものを感じますね。何れにせよマイクの個性や好みに応じて使い分ければよいだけで、優劣とは違います。両方ともピアノにはよく合っていると思います。当時このマイクの半額以下で売っていて某音響機材ショップが激しくプッシュしていた某社のマイクにしようかとちょっと傾きかけた事もありましたが、経年で本体にサビみたいなものが出たり低音域が抜けたりするらしい(C4000Bは購入してから約20年、何度も使いましたが未だに新品のように綺麗です。防湿庫に保管していたという事もありますが)ので変な気を起こさなくてよかったと思います。(^^; 久し振りに動作チェックしてみましたが帯域、感度とも全く問題なしなのでまたこれで録音してみたくなりました。所謂ハイレゾで収録したらどんな結果になるのか試してみたいですね。尚、C4000Bはその後C4000と型番が変わってブラック仕上げになり付属ショックマウントがH100からH85に変更されましたが現在はディスコンです。ダビングの話から結局またマイクネタになってしまいました。(^^;