2014年10月9日木曜日

ジャンク スピーカーを修理しました

以前このブログで紹介した、DALIのウーファーユニットですが、この程スピーカー用のリード線が入手できましたので早速修理しました。


↑これがリード線です。秋葉原を探し回ったのですが特殊な部材らしく扱っている店がなく結局入手できなかったので、インターネットを検索したところ1件だけあり速攻で注文しました。スピーカーのリコーン・パーツの専門店で他にも面白そうなパーツを沢山扱っています。注文してから到着も早くありがたかったです。

早速切断されたリード線に入手したこのリード線を継ぎ足して修理しました。編み線で見た目は柔な感じがしますが、ニッパーにかなりの力を入れないと切れないくらい強靱です。デジタルメーターで導通を確認して、アンプに繋いで鳴らしてみました。

箱に入れず全くの素の状態(裸)なのですが、意外にバランス良く鳴りました(大抵は高音がキンキンするだけで低域は殆ど聞こえない)。勿論箱無しなので低音は全く不足していますがそれでも聴けなくはないくらい整った音が出ました。アンプにはALESISのRA150を使いました。このユニット自体には定格が書いていないのでインピーダンスや許容入力は不明ですが、エピコン6のカタログには5Ωと書いてあったのでおそらくこのユニットも同じだと思います。RA150は4Ω時75Wの出力で、かなりボリュームを上げても全く歪まず大丈夫だったのでパワーは相当入りそうです(メーカー発表だと50~300Wのアンプが推奨されています)。ちゃんとした箱に入れたら相当大きな音が出そうですし、フルレンジユニットとしても充分使えると思いました。ジャンク品が甦ってホントに良かったです。(^^)

下の動画は実際に裸の状態で音を出し、それをハンディー・レコーダーTASCAM DR-05の内蔵マイクをコーンに近接させて録音したものです。サンプル音源は自分で演奏、録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ第2番の中から、第1楽章の提示部です。練習不足で音を外しまくりで恥ずかしいのですが、どんな音なのか参考までにお聴きくだされば幸甚です。

2014年10月1日水曜日

腕時計の曇り取り

暫く使わなかった腕時計を久し振りに着けようとしたら、風防ガラスがかなり曇っていて吃驚! 一応10気圧防水なので普通に使っていて(着用して風呂に入ったり水泳などはしていません)これ程曇るはずはないのですが、安物だから仕方がないのかも知れませんね。


シースルーの裏蓋もこの有様です。曇って機械部分がよく見えません。


機械が錆びないように湿気を逃がしてやる必要もありますし、開腹してガラスの曇り取りをすることにしました。


工具で裏蓋を開けます。この黄色い固定具は使いやすくて非常に便利で気に入っています。


次に竜頭を抜きます。竜頭を抜くためのピン(ボタン)「オシドリ」は時計によって場所が異なり、見つけるのに苦労します。なかなか上手く抜けない事もあるので慌てず力ます慎重に作業します。


ムーブメントを慎重に取り出します。元々買った時からガラスがちょっと曇り気味だったのでダイアルのギョーシェ模様がこんなにキラキラしていたとは今まで気がつきませんでした。時計を扱う場合の最大の注意点として、文字盤には決して手を触れないようにしましょう。埃が付いていたら、カメラ用のエアブロワ-で吹き飛ばすか、極柔らかい毛の筆でほんの軽く払う程度にします。


かなり曇ってますね。少し透明になっている部分は指で拭ってみた箇所です。


風防ガラスもこの通り曇っています。


湿気を逃がすために暫く放置してから無水エタノールで丁寧に拭きました。


こちら側も大分綺麗になりました。


裏蓋と竜頭の防水パッキングにシリコングリスを塗り、ムーブメントを元に戻して裏蓋を閉めました。裏蓋を閉める前にガラス内側の表面に付着している細かいゴミをエアブロワーで飛ばし、拭き残しの跡が残っていないか念入りにチェックします。少しでも残っていたらやり直しです。実はこの工程が一番気を遣います。身近にあるティッシュペーパーや布を使うと細かいカス(リント)が出てそれを除去するのに非常に苦労しますが、キムワイプで拭くと大変具合が良いです。


取り敢えず完成。見通しが良くなり大変気持ちがいいです。今までガラスがくすんでいたのでそれ程気にならなかったのですが、ハッキリくっきり見えるようになると青焼き風(勿論塗装ですが)の針がちょっとお下品かも。(笑) ギョーシェ模様もよく見えるようになりました。高級品だとなかなか怖くて出来ませんが、安物の雑貨ウォッチだと気軽に蓋を開けられますね。(^^;
この時計、安物の自動巻にも拘わらず巻き上げ効率がなかなか優秀で、ハック機能、パワーリザーヴ、手巻き完備なので使いやすいです。ジュネーヴ・ヨット・クラブという怪しげな(笑)銘柄なんですが確かマルマン・プロダクツが発売元だったはずで、おそらくムーブメントはミヨタ(現シチズンファインデバイス)辺りの汎用品でしょう。


【追記】ネット検索を通じてこの記事を閲覧して下さる方が多いので、取り敢えず腕時計の曇りに関する私の見解を書きます。(この時計は、曇り取りをしてから1年経ちますが、日常使用でも特に曇る様子も無く今の所きれいな状態を維持しています。)

時計の曇りに就いては、除去しようと思って強力な乾燥剤を入れた密閉箱に入れて様子を見た事もありましたが、私の場合には殆ど改善が見られませんでした(乾燥したとしても風防ガラスの内側に曇りの跡がうっすらと残ってしまいます。輝度の高い光源、例えばフィラメントが直視できる透明な白熱電球、点光源に近いLED電球の光を当てると跡がよく見えます)。安物時計ということもあって修理に出すのも憚られたため(修理を受け付けてくれない場合も考えられます)、このエントリーのように思い切って自分で曇り取りを試してみた次第です。元来時計大好き人間なので工具類は以前に購入しておりました。高価な時計でしたらちょっと怖くて自分でやろうとは思わなかったでしょう。(^^; 曇りが発生する原因はパッキング(風防側、裏蓋側、竜頭側とありますが特に竜頭側)の材質劣化(勿論バックの締め不足も考えられます)、或いはパッキングに塗布したシリコングリースが経年で不足して防水性能が劣化する為ではないかと思われます(シリコングリースを充分に塗布し、バックの締め圧を上げたらその後湿気の影響を殆ど受けなくなりました)。

風防ガラスのごく一部が曇っても1日程度で曇りが消えてしまうような軽度な場合はそのままでも特に問題ないと思いますが、この時計の様に一旦湿気が内部に入って中々消えない曇りを生じた場合は仮令(たとえ)強力乾燥剤の使用によって一時的にある程度の改善が見られたとしても、その後の使用によって結局また曇って来ますので根本的な解決策ではありません(乾燥剤での曇り取りには時間がかかりますのでその間に時計内部の金属部分に錆が発生する可能性も考えなければなりません)。ですから、本当に大切にしている腕時計に湿気で曇りが生じた場合には早めに信頼できる時計店に修理(オーバーホール)を依頼するのが一番確実です。私のように安物時計を幾つも持っていてメンテナンスにその都度それ程費用をかけられない場合には、自分で分解修理するというのもありだと思いますが、それはそれぞれの価値観で違ってきますし、慣れ(技術的な習熟度)もありますので(最初は力の入れ加減がわからず、只単に裏蓋を開けるだけでも時計にいらぬ傷を付けてしまったりします)、積極的にはお薦めいたしませんのでご了承ください。(2015年11月16日)