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2020年4月19日日曜日

ギーゼキングのCD その1

フルートとピアノのためのソナチネを知って以来、ピアニストのギーゼキングに嵌まっていて色々とCDを買い集めています。モーツァルトのピアノソロ作品全集が出ていてドイツ・プロフィル(Profil)盤を買ってみたのですが何とこれが疑似ステレオ化処理が施されており心底ガッカリしました。聴くに堪えない昔の疑似ステレオ化処理とは異なるものの、モノーラル音源を2チャンネルに分割して、左右のチャンネルのタイミングを極僅かにずらす事によってステレオ感を得る方式で、私も手持ちのSPレコードを波形編集ソフトで同様な処理を施して遊んだ事はありますが、これをそのまま商品化してしまうのは如何なものかと思います。同じProfilレーベルのバックハウス演奏のショパンエチュード集も同様の疑似ステレオ化処理がなされていて、然も音質がかなり劣化しており(オリジナルのSP盤は持っているので比較できます)本当にガッカリした記憶も新しいのにまたやってしまいました。(涙)

仕方が無いのでEMIオリジナルモノーラル「レフェランス」盤を改めて買い直しました。モノーラル盤はやはりオリジナルのモノーラルで聴くのが本筋でしょう。両盤とも曲の並びは全く同じなのでProfilがEMIのオリジナル音源から単に疑似ステレオ化して発売したもののようです。大手通販サイトにも疑似ステレオ化の事については全く記載が無いのでオリジナルのモノーラルだと思って買ってしまった私のような人間がいるはずで悲しくなります。それにしてもドイツのレーベルも堕ちたものだと思いました。

しかしながら演奏については、ラヴェル、ドビュッシー、モーツァルトに確固たる地位を築いたギーゼキングだけあって全く不満はありません。非常に良い演奏です。ギーゼキングのCDを買うのであればオリジナルスタジオ録音のEMI盤をお薦めします。

ドイツProfil疑似ステレオ盤(非推奨)
ドイツEMI(ELECTROLA)オリジナル「レフェランス」モノーラル盤