2014年9月26日金曜日

野外録音

靖國神社の能楽堂で行われた奉納演奏を録音しました。オーボエと弦楽五重奏という編成で素晴らしい演奏でした。出張録音で一番大変なのはブームスタンドを運搬する事なのですが(その他の機材は最近は小型軽量なので殆ど問題になりません。嘗てはPCMプロセッサーとビデオデッキを担いで行った事もありました)、今回は現地で借りられて助かりました。録音にはB社のコンデンサーマイクを使用しましたが、安定動作、高音質で非常に良い結果が得られました。長らく愛用してきたA社のコンデンサーより音の抜けが良く明るい音質なので編集で殆ど調整の必要がありませんでした。

2014年9月22日月曜日

PER HENRIK WALLIN

長らく欲しかったCDを漸く入手しました。パール・ヘンリッキュ・ヴァリーンヌ(従来のペール・ヘンリック・ワリーンからスウェーデン語の発音に近い表記に訂正しました。最初のパはペとパの中間で僅かにパ寄りに、最後のNはフランス語のようにンの後に余韻としてヌが聞こえます<2016年11月17日更新>)の弾いたフリージャズのピアノソロです。

たまたまネットで検索したら横浜の某ショップに在庫があり速攻で注文しました。同じ音源は若い頃さんざんLPで聴いたのですが、スウェーデンのジャズ・ピアニストということもあって情報が少なく復刻されたCDはなかなか入手できませんでした。

パール・ヘンリッキュ・ヴァリーンヌ(ペール・ヘンリック・ワリーン)は1946年生まれで2005年に58歳という若さで他界したスウェーデンのジャズ・ピアニストで、ヨーロッパのフリー・前衛ジャズの旗手でした。私は学生時代、おそらく1984年頃に今はなき秋葉原の石丸電気3号店の輸入盤フロアで彼の"One Knife Is Enough(1982/36歳)"というレコードをジャケットに惹かれて購入、帰宅して針を降ろした直後に衝撃を受けました。このレコードは縦横無尽に自在に鍵盤を走り回る、彼の若々しくピアニスティックでありながら極めて内省的な演奏スタイルをオンマイクで余すところなく優れた音質で収録してあります。フリージャズであり現代音楽でもある彼の演奏スタイルは、自分の(かなり低レベルな)即興演奏に強い影響を与えています。チャールズ・アイヴズを敬愛していたという彼の演奏には、アイヴズの作品同様信じられないくらい美しい瞬間があります。フリージャズというとハチャメチャな演奏を想像してしまいがちですが、彼の演奏はヨーロッパ流の堅固な形式感をちゃんと備えています。どの曲も素晴らしいのですが、Southern Exit という曲が凄くいいので、いずれ耳コピで譜面を起こして弾いてみたいですね。

不幸な事に彼は1988年、まだ42歳という若い時に交通事故で首を負傷した事が原因で下半身不随になってしまい、懸命なリハビリの末に一旦は復帰するのですが、直後に大病を患い復帰は更に遠のいてしまいます。CDの後半は復帰後の晩年2003年の録音で、事故に遭う前の華麗な技巧的演奏スタイルとは全く変わってしまいますが、鍵盤を叩きつけ乍らも訥々と語るような内省的な演奏は更に深化しており、彼の紡ぎ出す音楽には前衛的でありながらもある種の親しみ易ささえ感じます。後半は倍音の感じから、おそらくベーゼンドルファー・ピアノを弾いているのではないかと思います。

遺された彼の写真を見ると終生煙草が手放せなかったようで、若い頃は煙草をくわえながらピアノを弾いていますし(私も若い頃はヘビースモーカーだったので火の付いた煙草の灰で電子ピアノの鍵盤を焦がした経験があります)、車椅子での活動を余儀なくされた晩年に至るもマールボロの箱や灰皿がピアノの上に置かれていたりします。もしも不幸な事故に遭わなければ2014年の現在(生きていれば68歳)でも現役バリバリで華麗なテクニックでピアノを弾いていたに違いないと考える時、彼の事故後の苦行のような人生(16年間)に思いを馳せて本当に残念でならないのです。青春時代に彼の演奏を聴いて大いに触発された自分としては、遺された音源から彼の演奏の素晴らしさを知って頂ければと願わずにはいられません。
1984年頃に購入したLPジャケット
LPジャケットの裏面
晩年のCDジャケット写真
若い頃の写真

2014年9月19日金曜日

景品到着

麦とホップ・輝くゴールドキャンペーンの景品が到着したので、麦とホップを飲みました。


2014年9月17日水曜日

安物 Audio IF マニア?(笑)

最近、ヤフオクなどで安いオーディオIFを見つけるとつい買ってしまって数が増えてしまいました。(笑) 高級品を1台買えばそれで済む話なのですが、根っからの貧乏性なのでついつい色々と試したくなってしまうんですよね。(^^; このクラスのオーディオIFの音質は団栗の背比べとはよく謂われますが、なかなかどうしてやはり各社の音質に対する思想の違いが製品によく現れており、じっくり聴くと音質の差がよくわかります


上から、Native Instruments AUDIO 4 DJ、BEHRINGER UMC204、M-AUDIO FAST TRACK PRO、M-AUDIO ProFire 610、Focusrite SCARLETT 8i6 です。


Native Instruments AUDIO 4 DJは非常に見通しの良いスッキリした音です。DJという型番とは裏腹に高音質HiFiサウンドを聴かせてくれます。本体に入力ボリュームがないのでちょっと使い勝手が悪いのですが、内蔵フォノイコライザーが大変優秀です。また、データ転送の欠落がわかるユーティリティーが付いていて非常に便利です。

BEHRINGER UMC204は落ち着いた音で動作が非常に安定しています。安価ではありますが操作系に不足は全くなくコストパフォーマンスは非常に高いです。本機は96kHz24bitまでの対応ですが、UMC204HDという192kHz24bit対応した新しいバージョンもあります。そちらも2万円以下で購入できるようで更にコストパフォーマンスが良いかも知れません。
【追記】UMC204に最新(2016年4月現在)ファームウェア(V1.12)を適用することによってUMC204HDと同等品(192kHz 24bit対応)になります。こちらを参照ください。

M-AUDIO FAST TRACK PROは非常にニュートラルな音です。USB1.1という古い規格ですが、音飛びもなく非常に安定しています。USB1.1の帯域幅の関係から本機の最大規格96kHz 24bitは入力あるいは出力1系統のみになってしまいますがS/PDF端子も付いており使い勝手が大変良いです。以前オンキョーやRolandのUSB1.1オーディオIFを使っていた頃は音飛びが激しくてとても実用にはなりませんでしたが本機の安定度は素晴らしいです。

上述のFAST TRACK PROと同じ製造元であるM-AUDIO ProFire 610は192kHz 24bit対応という事で今更ながらの導入ですがとにかく音が良いです。スッキリとした非常に見通しの良い音に感激しました。充分リファレンス機材として使用できます。これを使うためにわざわざ(既に時代遅れの?)FireWireカードまで別途購入しましたが、その価値は充分にあります。FireWire接続のオーディオ用途にはテキサス・インスツルメントのチップでないと不具合が出るという情報がありますが、安物のVIAチップでもWindows 7の環境下で全く問題なく動作しています。スタンドアローンでマイクプリアンプ、DA/ADコンバーターにもなるという優れもので、この辺は以前の機種からM-AUDIOの一貫した設計思想を感じて好感が持てます。音といい痒いところに手が届く機能といいすっかりM-AUDIOのファンになりました。現在メインで使っています。M-AUDIOは以前はMIDIMANという社名で90年代にMacでゲーム音楽の仕事をしていた頃、外部MIDI音源モジュールに接続するMIDI インターフェイス MACMANには随分お世話になりました。金属製のかなり重厚なボディーで故障もなく非常に調子が良かったです。現在のM-AUDIOは192/24のオーディオIFは発売していないようで残念至極ですが、同社のヘッドフォンHDH50を本機に繋いで聴いていますが相性もバッチリで解像度も良く満足しています。AV30というパワードモニターも癖がなく良いスピーカーです。いずれは同社のマイクロフォンも使ってみたいですね。

一番下はフォーカスライトのスカーレット8i6で非常に充実した太めの音がして大変好印象です。製造は中国ですが、設計は英国なので信頼できます。但しサンプル周波数、ビットレートの変更には結構シビアで付属のミキサーソフトウェアと波形編集ソフトやシーケンサーのサンプル周波数とビットレートが一致していないとフリーズする事があります。音は非常に良いのですがこの点だけが非常に残念です。M-AUDIOのように特にユーザーが意識しなくてもソフトウェアとの連携(連動)が完璧だったら言うこと無しなんですが。尚、本機は某楽器店で、ヘッドフォンボリュームにガリがあるという理由で中古品を2000円程度で売っていたものを購入しました。殆どタダみたいなものですね。

以上、独断と偏見によるオーディオインターフェイスの試聴レポートでした。(^^;

2014年9月16日火曜日

懐かしいもの(エイトチャージャー)

某有名中古品チェーン店に行くと個人的に非常に懐かしいものを見つけてしまい、値段も激安324円(税込)だっのでついつい買ってしまいました。(笑)

その商品とは乾電池(ニッカドやニッケル水素ではない普通に市販されている乾電池)を充電してパワーを復活させるというエイトチャージャー(双葉電器製)です(勿論、時間はかかりますが2次電池も充電できます)。1970年代、つまり私が小中学生時代には自由になるお金も少なかったため乾電池を大量に消費する訳にも行かず、ラジオやラジカセで消費した乾電池を再利用するために本製品には随分お世話になったのですが、操作法が悪くて電池から液漏れして接点が腐食してしまったため捨ててしまいました。まさかこの時代にまた出会えるとは思わず、懐かしさも手伝ってついつい速攻でレジに持って行った次第です。(笑)

某中古店で見た時には埃まみれで透明な蓋には電源コードから染み出した可塑剤が浸食した跡がありましたが、念入りに分解掃除したら新品同様とはいかないまでもかなり綺麗になりました。接点に腐食が全く見られない事や、電源コードのプラグにも錆がなく裏蓋を開けてみて内部も非常に綺麗だった事から、前オーナーは殆ど使わずに保管していたようです。ちょっと怖かったですが(笑)、電源を入れたら正常に動作しました。裏蓋の表記に型番違いに220Vとあったので、輸出用製品もあったようですね。まあ、この歳になったら遙かなるノスタルジーに浸っても良いかなと思った次第です。(笑) この時代、本体はMade in Japanで、現在とは異なり中国製は全然ダメでまだまだ日本製品がコスト的にも有利な時代だったんですね。当時、愛読書だったラジオの製作などのエレクトロニクス関連の雑誌によく広告が出ていました。一番下の画像は手元に残してあるラジオの製作1976(昭和51)年6月号に掲載されていた広告です。

双葉電器 エイトチャージャー
能書き

ラジオの製作 1976年6月号の広告