2016年1月7日木曜日

SOUND Canvas VA Demo

Rolandの往年の音源モジュール、SC-88Pro の PC用 VSTi 音源(SOUND Canvas VA)が昨年末に発売され、デモ版もあったので、ダウンロードして使ってみました。この音源は、iOS用には既に商品化されていましたが、iPadを持っていないのでPC対応バージョンを首を長くして待っていたのです。
Cubase Artistでデモ版を使用中
こちらはハードウェア音源
SC-88Proは当時の業界標準音源で、通信カラオケやゲーム音楽は互換性からこれ以外では仕事になりませんでした。趣味でやっていたパソコン通信(ニフティーのMIDIクラシック&オリジナル・フォーラム)や仕事(ゲーム音楽)まで、これ以上無いくらいにお世話になった優秀な音源です。先代機のSC-88までは如何にも電子音っぽい感じでとても使う気になりませんでしたがSC-88Proになってからは格段に音色が良くなって、クラシックにも何とか使えるようになりました。この音源は今でも時折使っていますが、この度、PCで使えるソフトウェア音源として新たに発売(復刻?)され、面倒くさい取り回しをしなくても済む点が非常に良いです。以前仕事で使っていた時に、特に「琴」の音色の発音タイミングが非常に不安定でハードウェアの限界を感じましたが、今回デモ版を試してみた限りではそれらの不安定さはほぼ解消されているようで非常に正確です。ハードウェアは多パート(チャンネル)で鳴らすと音が団子になってしまう傾向がありましたが、今回のソフトウェア音源は分解能が非常に向上していて、パート毎の細かい部分までよく聞こえます。技術の進歩と処理の違いなのでしょうね。オーディオIFをより良いものに替えたら更に分解能が上がるかも知れません。ただ、ちょっと分離が良すぎるため、混ざって柔らかくほわっと聞こえるという味わいが多少減ってしまったのは少し残念ではありますが、まあこれが本来の音なのでしょう。

今回、当時作ったMIDIデータをいろいろ再生してみましたが、音色はハードウェア音源とほとんど同じでした。以前のVirtual Sound Canvas は期待して買ったもののあまりにも音が違っていたので直ぐにお蔵入りになりましたが。聴きながら、90年代~00年前半、熱心に打ち込みをやっていた頃を思い出しました。今はソフトシンセなんて軽々と扱えますが、当時はパソコンで音声を扱うのはかなり重荷だったので容量の小さいMIDIデータで遣り取りして外部MIDI音源で再生していたんですよね。シーケンサーのオーディオ機能を使うとソフトの動作が重くなり、最悪フリーズしたりするので、オーディオを無効にして使っていたくらいです。最近はもっとリアルなソフト音源が多数あって新作はそちらを使いますが、やっぱりこれでなければダメだという曲があるので手放せないのです。

ソフト化のお陰で、DTMソフトからMIDI IFを経由して音源を鳴らし、その出力をオーディオIFから取り込んでそれをDTMソフトで録音するという面倒くさい工程を経なくても、コマンド1発でオーディオファイルを作れて本当に楽です。値段が15120円というのは想像よりもお高いですね。9800円位だったら迷わず買いますが、でも結局買ってしまうんだろうなぁ。(笑) ↓の動画はSOUND Canvas VA Demoで鳴らしたものです。

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