2020年6月21日日曜日

鉄針ピックアップの修理

戦前のナショナル(松下無線:1935~1944)製SPレコード再生用鉄針ピックアップを入手しました。現パナソニック・テクニクスのご先祖様ですね。型番はNo.776(製造番号?)で、学校の理科の実験などでよく目にするU字型磁石の内側にコイルが入っており、針の振動をコイルに伝えて発電する所謂MC型です。
鷲?のマークが素敵です
型番(製造番号?)と製造者名
元々付いていたシールドケーブルはおそらくオリジナルだと思われますが経年劣化で芯線の被覆がボロボロになっていてショートしそうなので、劣化したケーブルを取り外し新品のシールドケーブルに修理交換し、音響機材に接続しやすいように標準プラグを取り付けました。(元々はラジオに繋いで聴いたと思われます)

劣化した昔のシールドケーブル(シールド網線が剥き出し)
新しいシールドケーブルに交換して標準プラグを取り付け
鉄針式ピックアップの音を聴くのは初めてなので興味津々です。ドイツ・グラモフォン(ポルドール)のポリファー号(マイカサウンドボックス付ポータブル蓄音器)のサウンドボックスを外してトーンアームに取り付けて再生してみました。ポリファーの細目のアームにピッタリと入りましたので、ビクターオルソフォニックや英HMV No.5用のアームだと太くて取り付けられないかも知れません。最初サウンドボックス用のラウド針を取り付けてみたところ全体的にモコモコした変な音で特に大音量部分で酷い歪みが発生したため細い小音量用のハーフトーン針に変えたら良い音が出るようになりました。針式ピックアップにはハーフトーン針(かそれ以下の細いもの)が最適で、サウンドボックスのように1面で消耗してしまうという感じでは無く余裕があります。音は現在のSP用カートリッジで再生する時のようなきつめの針音とは違ってスクラッチノイズがあまり目立たずいい感じで鳴ります。
ポータブル蓄音器に取り付けて演奏中
メモリーレコーダーにダイレクト接続して録音したのが下記の動画で音質調整などは一切しておりません。戦前に製造された鉄針式ピックアップの音を聴いてただければと思います。但しモーター未整備のポータブル蓄音器のため回転(ピッチ)が途中で不安定になってしまう事をご了承ください。レコードはコルトー演奏のショパン・エチュード(別れの曲)国内盤です。

2020年5月31日日曜日

DAT

友人から借りたDATデッキ、パイオニアD-05で昔録音したDATテープを時間がある時に少しずつファイル化しています。本来なら仕事用に大枚をはたいて買ったソニーの業務用DATデッキPCM-R500を使うところですが壊れて久しく、仕方が無いので未だに完璧に動作する友人のデッキを使っています。まあ、ここからは愚痴ですが(^^;、今までソニー製のオーディオ製品を色々と使ってきましたがどれも本当に壊れやすい上に早々に修理サービスが打ち切られるのに辟易して最近はソニー製品購入は出来る限り避けています。それに比べてパイオニアの製品は長持ちしますね。前世紀に買ったDATデッキが未だにちゃんと動いていますし、やはり前世紀に買ったパイオニアのCDプレイヤーPD-HS7は今でも現役です(DACとしても使えるのでPCのオーディオカードのデジタル出力を本機でアナログ変換してモニタリングに使っていて市販CDのマスタリングの作業では随分お世話になりました)。因みに同じ友人がほぼ同時期に買ったソニーのCDプレイヤーCDP-XA55ESはかなり前に壊れました。オーディオブームが去ってからというもの中級機種が無くなりハイエンドか普及機かに二分される中、気に入っていたので同機種を態々中古で買い直したそうです。時代の流れとはいえ現在のパイオニアはオーディオ事業から殆ど撤退してしまったのが残念で仕方がありません。

愚痴はさておき、DATテープを再生していたらついつい昔の事を思い出してしまいました。1990年代はもう20年以上前で私もまだ20~30代で若かったのですね。(笑) その頃は現在のようにソフトウェア音源をリアルタイムで演奏できるような処理能力がPCには備わっていなかったので専らMIDIデータを外部音源モジュールで鳴らしてDATに保存していました。そういえば自分が今でいうところのDTMを始めた頃はGMという規格すら無くてパッチを指定しても音源モジュールが変わるといちいちプログラムチェンジを書き換えなければならず少なからず苦労しました。DATに収録されていたYAMAHAのフリーMIDIデータを勝手にアレンジした音源を聴いていたらまざまざと当時の情景や匂いまでもが甦ってきて何だか切なくなりました。(^^; 現在はPCの処理能力が格段に上がって音源自体もかなりリアルになって大抵の事が手軽に実現できてしまうようになった所為か、まだ発展途上だった80~90年代のワクワクした希望に満ちた感じがなくなってしまったように思います。何れにしてもゲーム音楽などを盛んに作曲していた若かりし頃の音源を聴いてやって頂ければ幸です。DATで録音したので音質的には現在でも充分通用すると思います。音源はRolandのSOUND EXPANSION シリーズ M-OC1(オーケストラ音源、オーボエのすすり泣くような音が実に素晴らしいです)、M-SE1(ストリングス音源、当時としては難しかった弦の再現において出色の出来でした。現在も売らずにそれぞれ2台ずつ所有しています)、ピアノはYAMAHAのTX1Pを使っています。


2020年5月11日月曜日

長い雲

今朝9時半頃西の空に南北に一直線の細長い雲がかかっていました。最近地震が多いですし他にも平行して幾つか長い雲があったのでもしかして地震雲かもと思って撮影しました。まあ何もないと思いますが珍しいのでご覧下さい。なお、無理矢理パノラマ合成していますので画像の歪みはご容赦くださいませ。

2020年5月5日火曜日

古い電波時計

長波やGPSの電波を利用する現在の電波時計が発売される以前、AM放送の時報で時間を修正する電波時計がありました。現在でも極一部の商品にAM放送で時刻修正するものがあり、所謂業務用設備時計にもAM放送を利用するものがあるようです。

コロナウィルスでこの連休も外出を自粛していて、その分ネットを徘徊している時間が長くなるとついついネットオークションやフリマなどを見てしまい、珍しい昔の電波時計が出品されているのを見つけて安かった事もあって動作未確認品を勢いで買ってしまいました。小人閑居して不善を為す? まあ、閑居せずとも不善は為しておりますが・・・(^^; 動作するかどうかは運次第、完全なガラクタを掴まされる可能性もあるので届くまでは気を揉みました。(笑)

SEIKO TD-403 経年で文字盤が少し黄ばんでいます
買ったのはセイコーのTD-403という型番の電波時計で、到着後電池を入れてみると時計は問題なく動作しラジオも受信できて一安心。時刻修正するためにNHK第1放送を受信するのですが、昭和50(1975)年の製品なので受信周波数が590kHzで現在の594kHzとは4kHzズレています(AM放送局が増加して混信が問題になったため1978年11月23日から地域によって放送周波数が10kHzから9kHzステップに変更されました)。かなり立派なエアバリコンが付いていて音を鳴らせるので微調整も楽です。残念なのは12時の下にある赤い発光ダイオードが光らない事ですが他の機能は完全動作しました。この時計の修正動作は、午前7時と午後7時の2回、正時の2分くらい前からラジオの受信を開始し時報の高いラの音(880Hz)を感知すると長針を0分の位置に自動修正するというものです。トランジスタ時計なのでクオーツよりは精度が落ちるもののうまく緩急調整すると1日の誤差を15秒以内に追い込めます。これにラジオコントロールが付いているので当時としては画期的なメンテナンスフリー時計で、電気回路は殆どディスクリートで組まれていますしよくこれだけ複雑なメカニズムを考案し作ったものだと感心します。
時計内部
左側の白いボタンを押すと右側のスピーカーからラジオの音声が聞こえます。
ラジオ受信用に単1乾電池4本、時計駆動用に1本必要です。
右下側がラジオ受信基板
さすがに古いので文字盤やガラスに汚れがありましたが綺麗に清掃しました。古い電池式時計は大抵液漏れで電池ボックスの金具が朽ち果てているものが多いのですが、これは液漏れ跡もなく非常に綺麗でした。長針が時報受信時に0分きっかりに復帰しなかった(ズレていた)ので修正しました。昭和50年頃はクオーツ式がボチボチ出始めた頃でまだ値段が高かったですね。その頃自分はトランジスタ式の目覚まし時計、腕時計は自動巻セイコーロードマチックを使っていました。下の動画はラジオの時報を受信して針を0分に自動復帰するところを撮影したものです。わかりやすいように2分ほど針を進めており、音声は別のラジオを鳴らしています。


おまけ 小学4年から大学時代まで使っていたセイコーロードマチック。そろそろオーバーホールしようか検討中。

2020年4月24日金曜日

時計電池交換

自室の電波掛時計 SEIKO KX317W の時刻が常に5分遅れるようになり、そろそろ電池の寿命が近いので交換しました。CR2477という分厚い(という事は容量も大きい)リチウム電池2個を使用するのですが、この時計を購入したのが2013年10月なので6年半使えた事になります。メーカー発表の定格電池寿命は5年ですが、暗くなると秒針が停止する機能があって秒針停止中の分だけ電池の寿命が延びるという事だったので夜間は部屋の照明がなるべく時計に当たらないようにして秒針停止時間を長くしてきた結果、定格寿命より1年半ほど長く電池が保ったようです。電池交換したら遅れがなくなって快適に動作しています。この時計は余計な装飾もなく設備時計のように見易く、店頭で実物を見て一目惚れして購入しました。こういうシンプルなデザインの時計は市販品ではなかなか無かったので、以前は中古で電気子時計を入手して30秒運針させるためにシンクロナスモーターを使って有極パルス発生器を自作し20年程使いました。電気子時計は30秒毎に+と-が入れ替わる1秒程度の直流パルスで運針しますが、その際コイルを巻いた電磁石でロータを廻すので、そこに直流電流を流すとスイッチが切れると同時に高電圧(キック電圧)が発生しスイッチの接点がそのスパークで焼けて直ぐに駄目になってしまうのです。当初は本当に困り果てましたが、色々と調べた結果、ZNRバリスターというサージ電圧吸収素子を使って解決しました。20年という長い間使えたのはその所為だと思います。さて、この電波掛時計が自作機同様にこの先14年(20年から第1回電池交換するまでの時間を差し引いた)保つのかどうかはわかりませんが結果を確認するのが先か、はたまた自分の寿命の方が先なのか微妙なところです。(笑)
電池交換後、動作に支障が無いSEKO KX317W
交換したリチウム電池 Panasonic CR2477

2020年4月19日日曜日

ギーゼキングのCD その1

フルートとピアノのためのソナチネを知って以来、ピアニストのギーゼキングに嵌まっていて色々とCDを買い集めています。モーツァルトのピアノソロ作品全集が出ていてドイツ・プロフィル(Profil)盤を買ってみたのですが何とこれが疑似ステレオ化処理が施されており心底ガッカリしました。聴くに堪えない昔の疑似ステレオ化処理とは異なるものの、モノーラル音源を2チャンネルに分割して、左右のチャンネルのタイミングを極僅かにずらす事によってステレオ感を得る方式で、私も手持ちのSPレコードを波形編集ソフトで同様な処理を施して遊んだ事はありますが、これをそのまま商品化してしまうのは如何なものかと思います。同じProfilレーベルのバックハウス演奏のショパンエチュード集も同様の疑似ステレオ化処理がなされていて、然も音質がかなり劣化しており(オリジナルのSP盤は持っているので比較できます)本当にガッカリした記憶も新しいのにまたやってしまいました。(涙)

仕方が無いのでEMIオリジナルモノーラル「レフェランス」盤を改めて買い直しました。モノーラル盤はやはりオリジナルのモノーラルで聴くのが本筋でしょう。両盤とも曲の並びは全く同じなのでProfilがEMIのオリジナル音源から単に疑似ステレオ化して発売したもののようです。大手通販サイトにも疑似ステレオ化の事については全く記載が無いのでオリジナルのモノーラルだと思って買ってしまった私のような人間がいるはずで悲しくなります。それにしてもドイツのレーベルも堕ちたものだと思いました。

しかしながら演奏については、ラヴェル、ドビュッシー、モーツァルトに確固たる地位を築いたギーゼキングだけあって全く不満はありません。非常に良い演奏です。ギーゼキングのCDを買うのであればオリジナルスタジオ録音のEMI盤をお薦めします。

ドイツProfil疑似ステレオ盤(非推奨)
ドイツEMI(ELECTROLA)オリジナル「レフェランス」モノーラル盤

2020年4月17日金曜日

50万アクセス

コロナウィルス感染者数が一向に減る気配を見せませんが皆様は大丈夫でしょうか。自営の時はまさにテレワークで高みの見物でしたが、今はそれが出来ない職種なのでやむなく出勤しています。まさに命がけですね。そこまでする価値のある仕事なのかと問われれば「否」と即答してしまうのですが食っていくためには仕方がありません。まあ、仕事があるだけでもありがたいと思っています。ここ1~2ヶ月の間欲求不満が溜まっていて色々と音響機材やCDを買い込んでしまいました。コロナウィルスが蔓延して行動まで抑制しなければならない昨今、何時死んでもおかしくないからまあいいか。(笑) 機会(暇)があればこちらのブログでご紹介しようかと思います。

さて、久し振りにアクセスカウンターを見たら昨日16日18時16分40秒にブログ+ホームページの来訪者数が50万に到達していました。ホームページの方は約10年という長い間利用してきた無料スペースのatpagesがサービスを終了してからというもの絶望的にアクセスが減りましたが、検索エンジンに引っ越した現ホームページが現れるようになってからは少しずつ回復し現在はほぼ以前のアクセス頻度に戻りつつあります。ホームページの方はブログも含めて仕事が忙しくなったため以前に比べると更新頻度がかなり落ちましたが、どちらかというとマニアックな趣味ネタが多いので一定の需要はあるようです。まあ、自分の過去の経験や知識が参考になればという軽い気持ちで開設していますので私の駄文が少しでもお役に立てば幸です。今後ともよろしくお願い申し上げます。