2007年7月8日日曜日

Sibelius

といってもあのフィンランドの作曲家ではなく、英国製の楽譜作成ソフトのことである。ここのところCDから耳コピした楽譜をパソコンで浄書していて、いろいろと不満な点があるので楽譜ソフトについてちょっと語ってみたい。(笑) 実は今日、近所の楽器屋に楽譜作成ソフトSibelius4のカタログが置いてあったのでもらってきたのだが、カタログを読む限り、またデモムービーを見た限りではかなり良さそうなので、早速体験版をダウンロード、インストールして試用してみた。しかしFinaleに慣れてしまった所為か何だか使いにくい感じがする。こういうのは最初のとっかかりというか印象が大切なのだ。要するに作業行程の見通しがあまり良いとは思えなかったのである。使いやすかったら乗り換えようとも思ったが、これではちょっと無理そうだ。記号のフォントもあんまり美しくないし、ちょっと期待していただけに残念だ。

長く使っているFinaleも、作業行程の見通しは決して宜しくない。記号一つにしても階層を掘り下げていって漸く記入することが出来る。フォルテなどの強弱記号とスタッカートなどのアーティキュレーション記号の入力ではやり方が違うので面倒くさいことこの上ない。しかも折角入力した記号が何処かに飛んでしまって、意図しない場所に表記されることも間々ある。尤も2003からアップグレードしていないので最新版では改良されている可能性があるのだが。兎に角、Finaleはやりたいことにすぐに辿り着けないもどかしさや、何でこんな簡単な事が出来ないのだろうかと疑問に感じることが多々あることは確かである。

思えば今まで楽譜ソフトはいろいろと使ってきた。一番初めはMSX用の、おもちゃのようなソフトだったが当時としては衝撃的だった。IBM PC/ATのDOS時代にはScoreという非常に難解なソフトを使ったことがある。これは全てキーボードから直接コマンドを入力していくという、今から考えると気の遠くなるようなものだった。しかも、楽譜のスペーシング(justifyコマンド)時に複雑な演算を行い処理に非常に時間がかかる(量の多いものだと30分近くかかった)ので、わざわざ浮動小数点演算専用の80287というコプロセッサーを別途買い求めてパソコンに装着した程である(これで劇的に速くなって感動した)。当時は若かった所為もあってそれなりにScoreに習熟していたので、実際に(これを使っていた)或る楽譜浄書屋で働こうと思って面接に行ったこともあった。Post Script対応なのでプリンターの解像度に比例してかなり綺麗に出力できるのが売りで、このためにわざわざAppleのLaser Writer NT(シリアル経由でIBM PC/ATでも使えた)の中古品を20万円も出して買ったりした。(←当時は中古のYAMAHAのC1/20というハードディスク容量20MB!のMIDI端子が付いたラップトップコンピューター(20万円/定価50万円)も、わざわざ雑誌の広告で見つけて大阪の楽器店から買ったりして、しめて計40万円。金持ちだったんだなぁ(笑)) 当時のパソコンは80286というCPUを使ったものだったが、Windows3.1発売時にこのCPUが切り捨てられたのを機にMacintosh II viに乗り換えた。

マックでは今はなきPassport Design社のEncoreというソフトを随分使ったが満足できずにNightingaleに乗り換えた。これはそこそこ使いやすくてある程度複雑な表記も可能だった。が、やはりこれにも飽きたらず、Finaleの下位バージョンだったMusic Proseというソフトが安売りされていたので買って使ってみたが、これは本当に「簡易版」で殆ど使い物にならなかった。その後、MOTUのMosaicを買ってみたりした。Nightingaleとどことなく似ていて使いやすかったが、複雑な表記にはあまり向いておらず不満ばかりが残ってしまった。その後、Music Proseが開発中止になり漸くFinaleにアップグレードして現在に至るわけである。

Finaleも当初はマックで使っていたが、ある時期からWindowsとのハイブリッド仕様になったので、PC/ATに再び戻ったときからWindows版をずっと使っている。今使っているのは古い2003バージョン(金が無くてアップグレードしていない(T_T))だが、兎に角おヴァカなソフトで、多声部などでレイヤーが違うと臨時記号などのスペースを全く考慮してくれない困ったちゃんである。ただ、今までの経験からいうと、ソフトが異なるとデータの互換性がなくなってしまい、折角苦労して作ったデータが活用できなくなるので、簡単に乗り換えるというわけにはいかない。今回使ってみた体験版のSibeliusはFinaleファイル形式の読み込みも出来るはずなのだが、結局エラーで不可能だった。この時点で候補から脱落してしまったのは言うまでもない。また、乗り換えたにせよ、こういうソフトウェアは突然開発中止になったりするのでおっかない。やはりFinaleの不便さを我慢しつつ使っていくしかないんだろうなぁ。(嘆)

それにしてもベーゼンドルファーのピアノは倍音が強く聴き取りにくい(オクターブの違いが判別しにくく和音はより複雑に聞こえてしまう)ので採譜には多いに苦労した。(笑) その点、スタインウェイはサイン波的?なので聴き取りやすい。さて、楽器屋に行ったついでに各社のデジタルピアノに触ってきたのでその感想も。

以前はカワイだけだったが、最近はヤマハにも木製鍵盤の製品があって手触りが随分良くなっている。今日弾いた中ではローランドのIVORY FEELが非常に良かった。IVORYと銘打つだけあって、象牙の感触に非常に近い。昔のコンサートグランドピアノの鍵盤は象牙だったが、現在は規制がかかり象牙が使えずプラスチックになってしまった。ローランドのものも本来プラスチックではあるが、よくぞここまで象牙の感触を再現したものだと感心した。これでもう少し鍵盤が重かったら言うことなしだ。その他カワイ、ヤマハとも木製鍵盤のものは、表面はプラスチックとはいえ弾いた感じが良かった。

更に加えて、帰宅途中にブックオフに寄ったところ、偶々手に取った月刊ピアノという雑誌の最後のページに原田節さんのインタビュー記事が載っていたので、思わずゲットしてしまった。(笑)

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