2007年7月20日金曜日

古い楽譜の修復

高校生の頃弾いた、ショパンのバラード3番がまた弾きたくなって楽譜を開いたらいきなり空中分解してしまった。(笑) この楽譜はサラベールのコルトー版(アメリカ製)だが、輸入版はもともと作りが弱い上に20年以上昔のものなので、ボロボロになってしまうのは致し方ない。そこで早速修復した。以前に楽譜修復のエントリーを書いたが、今回はちょっとやり方を変えた。というのも、以前はグルーガンでホットメルトスティックを溶かして背表紙に塗布してから製本機に入れたのだが、いまひとつ接着が甘いのであった。そこで今回はグルーガンを使用せず、ホットメルトスティックを鋏みで細かく切って背表紙に置いてから、楽譜を挿入して製本機にかけたところ、かなりいい塩梅になった。接着剤にムラが殆どなく一発でしっかり製本できたので、そのやり方を書いておきます。もしサーマル式製本機をお持ちの方はお試し下さい。

● まず、分解してしまった楽譜に残留している接着剤をほぼ完全に除去して1ページ毎にバラバラに分ける。劣化した接着剤が残っていると再接着したときに剥がれやすくなってしまうからである。

● 背表紙に使う紙を用意する。私は厚めで丈夫な色付きケント紙を使うことにしている。勿論、出来る限りオリジナルの表紙に近い色のものを使用する。元の楽譜の寸法に合わせて紙を切り出す。

● 金属製の物差しなどを使ってきれいに折り目をつけ、背に当たる部分にカッターや鋏で細かく切ったホットメルトスティックを置いていく。この時溶けた接着剤がはみ出さないように両端に遊び(余裕)を持たせる。

● その上から色付きケント紙に楽譜をはさみ、製本機に入れて接着する。

● 接着が巧く行っているようであれば、オリジナルの表紙をスティック糊などでケント紙に貼り付けて完成。

● 接着が巧く行かないときは、再度製本機に挿入して再接着させる。

修復した楽譜

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