初代のTHE GRANDを未だに愛用していますのでVer.3になってどれだけ良くなったのかとかなり期待して音を出してみましたが、ハッキリ言って初代には遠く及びません。つまり全然駄目だということです。ピアノ音源で一番最初に試してみることはある和音、私の場合はEメジャーの和音をペダルを踏んで弾きそのまま音が消えるまで延ばして音の減衰が自然か、減衰しながらも音の膨らみが再現されているかという部分を聴くのですが、ピアノ音源でこれを満足している製品は滅多にありません。
殆どは大体リニアに無表情に音が減衰していき、ある程度時間が経つと音が消えるのを待ちきれないのかフェードアウト処理が施されています。初代THE GRANDは自然に音が消える瞬間まで丁寧にサンプリングされている唯一無二と言ってもよい優れた音源でしたが、 3になってその辺の凡庸なピアノ音源と変わらなくなってしまいました。しかも低音が軽いというかアンプのバスのトーンコントロールを絞ったようなキンキンする音で深みが全くありません。スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハのグランドピアノ、アップライトピアノとヤマハのエレピの5種類が収録されていますがどれもキンキンする音で全く使い物にならず、これでソロの曲を演奏しようなどとは思いませんね。アップライトとかエレピは全く要らないので、ちゃんと調律整音されたスタインウェイのフルコン1音色を丁寧に音が消えるまでキッチリとサンプリングしている音源は無いのでしょうか。やっぱりまだまだ初代は棄てられません。Steinbergさんには初代のThe Grandを全く手を加えずにそのまま64bit化していただけないでしょうか、もしくは初代のサンプリングデータを最新版でも読み込めるようにしていただけないでしょうか、切にお願いします。結局自分にとって使えるピアノ音源は初代The GrandとAddictive Keys、The Giant、Hammersmithくらいしかありませんが、どれも一長一短があってこれだという決定版がないので期待を込めてThe Grand 3を買ってみましたが残念ながらお蔵入りですね。兎に角ガッカリしました。