2018年12月13日木曜日

演奏会の録音

前回のエントリーにチラッと書きましたが、9日の日曜日に演奏会がありました。しかし結局、iPadでの録音は見送り使い慣れたフィールドレコーダーでの収録となりました。というのはまだアプリの操作に慣れないため、操作を間違った結果録音されていなかったり、折角録音したファイルを消去してしまったりといった最悪の事態を招来したくなかったためです。事前に色々と録音のテストをしましたが、やはりDTMソフトは多少動作にもたつきがあるので、そのもたついている間に画面のどこかに手が触れてしまって予期せぬ結果を招くという「事故」が何度もあったため充分習熟しないと危険だという結論に達してやむなく従来のレコーダーを使用しました。タッチパネルの操作はアプリによって善し悪しですね。

今回収録に使用したのはFostexのFR-2LEというフィールドレコーダーで随分前に購入したものですが自室内での録再のみに使用していたのでホールや屋外に持ち出すのは今回が初めてです。自分が主催する会だったら電源関係はどうにでもなるのですが、あくまでも録音させて貰う立場なので100V電源が使えない場合を考慮して(一応バッテリーでの運用は単3型ニッケル水素電池を4本内蔵できるのですが、使用時間が4時間(ファンタム電源を使うと約2時間)程度と短く4時間を超える演奏会全部を録音するにのはかなり辛いので)、モバイルバッテリーとUSB出力5Vを12Vに昇圧するDC-DCコンバーターを用意しました。事前のチェックで電源コンバーターからのノイズ混入もなく4時間以上の長時間運用も確認出来ました。

ここからは雑談ですが、生の収録は随分昔からやっていて、カセットテレコでの収録はまあお遊びとして、デジタルでは大学時代にアルバイトでお金を貯めてSONYのPCMプロセッサー PCM-501ES とβビデオデッキ SL-F17、マイクプリアンプの組み合わせから始めました(このPCM-501ESは、確かビデオの映像信号に合わせるためにサンプリング周波数は44.1kHzよりも僅かに低い44.056kHzでビット数は14でしたが音質が非常に良くて後のDATを既に凌駕していました。このプロセッサーよりも音が良いと感じたデジタル機器は所謂ハイレゾも含めて現在に至るまでごく僅かだったので、デジタル機器はAD、DAコンバーターの性能はもとよりそれ以上にアナログ回路設計の方が遙かに重要なのだと痛感しました)。これはコンポーネントステレオ一式を外に持ち出すようなもので、更にマイクブームスタンドを併せると重いし嵩張るし車がないと無理です。おまけに当時は音の良いコンデンサーマイクロフォンは一般には出回っておらず、国内オーディオメーカー製のエレクトレットコンデンサーマイクで我慢するより他にはありませんでした。結局大変な思いをした割りにはショボい音しか録れず、収録する度にガッカリしたものです。勿論自分の腕(技術)もありますがそれ以上に兎に角マイクで良いものが手に入らなかったのです。その後漸く楽器店などで自分でも何とか手に入れる事の出来る価格帯でラージダイアフラムコンデンサーマイクがチラホラと販売されるようになってAKGの製品を大枚をはたいて購入して使ってみたらそのあまりの音の良さに舌を巻きました。今まで重い荷物を担いで苦労していたのは一体何だったんだと呆気にとられたことをよく覚えています。PCMプロセッサー後のレコーダーはAIWAのポータブル小型DAT、HD-X1(DATテープに静止画映像を記録する別売りアダプターも買いました)、PioneerのポータブルDAT D-88 やSONYの業務用DATデッキ PCM-R500 を使いましたが、DATは定期的にヘッドクリーニングしても時々読み取りエラーが発生するので今ひとつ信頼性に欠け、次にFostexのマルチトラックレコーダーVF08に切り替え、その後内蔵ハードディスクが故障したのを機に同じFostex FR-2を中古で買って長く使いました。これはバッテリーでの運用時間が短く100V電源が必須なのでもう少しバッテリーでの運用時間が長いものということで廉価版FR-2LEにも手を出しました。ずっとFostexを続けて使っているのは、やはり同社のレコーダーはマイクプリが一貫してニュートラルで非常に優秀だからです。Fostexのそういう音が好きなので、お遊びでVF08の代替としてMR-8mk2も購入して持っていますが、これもお手軽な機種の割にやはり基本性能が良いです。勿論最近の現行品ハンディーレコーダーも何台か持っていますが、色々と工夫されてはいるものの単体のみではまず満足のいく結果は得られません。ファンタム電源が必要なコンデンサーマイクを使うのなら多少大きくても信頼できるレコーダーということでFostexのものを愛用しています。それから、30代や40代の若さならいざ知らず最近は重いものを持ち運ぶのが段々億劫になってきたので、マイクもどでかいボディーのラージダイアフラムよりは小さくてスリムなスモールダイアフラムを多用するようになりました。昔のSONYのスモールダイアフラム、エレクトレットコンデンサーマイクは低域が兎に角貧弱でキンキンした音だったのでスモールダイアフラムというと低域が駄目なイメージが長い間ついて回っていましたが所謂コンシューマーオーディオメーカーではないマイクロフォンメーカーのスモールは低域もちゃんと出るので気軽な録音ではラージは使わなくなる傾向にあります。今回使用したBehringer C-2は解像力は申し分ないもののちょっと低域が弱いですね。勿論嘗てのSONY程ではないのでイコライザー処理で何とでもなりますが次回は別なのを使ってみたいです。ただC-2の小ささ(短さ)はキャリングケースも含めてなかなか捨てがたいものがあります。私が昔購入したSONYのエレクトレットコンデンサーは当時1本2万5千円しましたのでステレオ収録用に2本で5万円です。今同じ金額を出したらかなり良いものが買えますね。今回使ったC-2は2本ペアで新品6500円程度という廉価品ですが、SONYのそのマイクはC-2に負けています。本当はショップスを使ってみたいのですが価格は勿論、メンテナンスなども考慮するととても個人レベルで購入するものではないですね。しかし改めて振り返ってみると録音機材にかなり金かけてますね。(^^;

という訳でモバイルバッテリー+コンバーターのお陰で、リハのレベルテストも含めて全行程約5時間、ファンタム電源を入れっぱなしの録音でバッテリー消費量は総容量の1/4で済み上々の結果でした。今後もこの遣り方で行けそうです。マイクは上述のように少し低音不足を感じたのでもう少しフラットな特性のスモールを試してみたいと思います。ただ、スピーカーやヘッドフォンによってはあまり低域不足を感じずに聞こえたりするのでちょっと悩ましいところですが。録音については思いっきり間違えた演奏をしてしまったので気が向いたら出します。(^^;

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