2019年4月14日日曜日

NEEWER NW-410 激安ペンシルマイク購入

Amazonに、指向性の異なる3種類のカプセルを付属しステレオペアで7499円(税、送料込み)という超激安スモールダイアフラムコンデンサーマイクがありました。一時品薄の時には2万円以上の値段を付けて売っていた不届き者もいましたが、また元の値段で供給が再開されました。ユーザーレビュー(Amazon U.S.A.含む)を読む限りは良さそうな感じなので更にネットで色々調べてみたら、諸元からどうやらiSKのLittle Gemというマイクと同じものであろう(断言は出来ませんが)という事がわかりました。幸いにもiSKのサイトには各楽器を個別に録音したサンプルがあって、自分が一番録音する機会の多いピアノのサンプルを聴いたらこれがなかなか良く、コントラバスのソロでも低音が確り録れていたので早速購入しました。前回の演奏会の録音ではベリンガーのC-2というマイクを使ったのですが取説のF特グラフを見ても判る通り、500Hz辺りから徐々に減衰が始まり50Hzでは10dBも減衰しているため低音不足が顕著で、編集時に逆カーブ(低音ブースト)のイコライザー処理をして漸く使い物になるといった感じでした(ハイパスフィルタースイッチが付いている意味がわからないです(笑))。ただ、細かい音は良く拾うので録音自体は繊細な感じなのですが如何せん低音が不足しているのでやや使いにくい感じは否めません。YouTubeで廉価ペンシルコンデンサーマイクの聴き比べをしましたが、C-2は動画でも私の感じたとおりの音質でした。ネット機材通販サイトを頼りに候補に挙げていたマイクの音質が予想以上に悪くて同じ動画に登場した別のマイクにしようかと思案していましたが、結局はメーカーサイトのサンプル音源が決め手となりました。
この立派なケースだけでも値が張る筈
早速届いたので開封、テストしてみました。立派なアルミケースに入っていて本体を手に持つとズッシリと重く、マットブラック仕上げでなかなか高級感があります。Amazonの商品画像ではNEEWER社のトレードマークが大きくプリントされていてちょっとお下品なイメージでしたが、届いたものには控えめに小さくNEEWERと印字されているだけなのでサスペンションホルダーに挟んだら多分ほぼ見えなくなる感じで大変よろしいと思います。因みにNEEWERはニューワーと読むようで、カメラ用品などを主に扱っているメーカーです。テストは取り敢えず現在メインで使っているM-AUDIOのオーディオインターフェイスM-TRACK 2X2Mに接続して行いました。3種類のカプセルを交換しつつのテストですが、環境音では家の前の道路を走る車の低音を良く拾いノイズのレベルもごく普通です。楽器音はギターをポロポロと鳴らした程度ですがこちらもよく録れています。カプセルごとに音の違いもあり、オムニは低音が豊かで、ハイパーカーディオイドは若干高音寄りになります。値段なりの部分は勿論ありますが、全体的に見るとコストパフォーマンスは抜群に良いです。マッチドペアとの表記はありませんが耳で聴く限りは2本の特性差を殆ど感じませんので、ステレオペアとして全く問題なく使えます。Anazonのレビューには更なる音質向上を目指した改造記事へのリンクがあり確かにかなり音質が向上しそうですが、自分としては折角調子が良いものを素人が下手に手を入れて不具合を起こすのは嫌ですし、ディフォルトの状態でも充分良品だと思いますので改造せずにこのままの状態で5月の演奏会に実戦投入してみる積もりです。尚、本体を叩くと2本のマイクで振動(共振)周波数が異なりますが、他に所有している国内オーディオメーカーF社製のペアで2万円ほどのペンシル型コンデンサーマイクもやはり2本で本体の振動周波数が全然違いますし、2本のレベル(感度)差が大きく5dB程度もあってマッチドペアと銘打たれているにも拘わらずとてもそうとは思えず実際の録音現場でも非常に使い辛いので、今回購入した激安マイクの諸性能は充分過ぎるほど合格です。ネットオークションなどで使用履歴や現在の状態を確かめられない中古のマイク(レコスタで使われている有名定番品含む)を買うような危険を冒すなら激安でも新品を買った方が確実に幸せになれます(中古品を購入して何度も討ち死にしている自らの切実な経験談です(笑))。
なかなかいい感じですネ(^^;
【追記】その後録音スタジオに常備されている定番マイクを購入し実際に録音してみてその懐の深さには本当に感銘を受けました。改造して高級機に近づけようという試みはある程度の成果は得られるのかも知れませんがオリジナルの性能が良い高級機種に対してはやはり太刀打ちは出来ないのではないかと感じます。やはり超えられない一線というものは確実に存在するのですね。といってもこのマイクを貶すつもりは全くありません。基本性能は性能対価格比で非常に優れていますからこのまま使用したとしても一定の成果は得られます。実際にライブ録音に使用して非常に好結果が得られましたのでこれからも用途に応じて使っていこうと考えています。これまでの長い録音経験から一番大切なのはマイキングだと断言します。越えられない一線はあるにしても極端に帯域が偏っていたり解像度に難がある場合以外はマイキング次第です。本製品は基本的な特性は良いので大きな失望は感じないと思います。安価なマイクはマイキングで弱点をカバーせよ、真に誰もが納得するような好結果を得たいならばある程度の金額のマイクを購入せよ、というのが現在のセオリーです。現在はAmazonでも扱いが無いようですが、8000円程度で各種指向性のカプセルが付属してこの性能なら全く文句はありません。2020/5/31

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