2020年3月15日日曜日

ダビング

昔録音したDATをファイル化しようと思って友人からDATデッキを借りてきて作業しています。仕事が忙しくてなかなか捗っていませんが。(^^; 最初はオーディオインターフェイス経由でPCに取り込もうとしましたがいちいちPCを立ち上げたり、ダビング中に別の作業をして動作が不安定になってエラーが出たりするのも嫌なのでメモリーカードレコーダーTASCAM DR-680MKII経由でダビングする事にしました。
昔まだお茶の水にあった松尾楽器の2台フルコンスタジオで録音したテープがあっていい音だなあと聴き入ってしまいました。2001年の録音ですが、マイクはAKG C4000B(ステレオで2本)、DATデッキはパイオニアのポータブル型D-C88、このデッキは民生用でXLR端子やファンタム電源が付いていないので、安価なARTのマイクプリアンプTUBE MPを2台繋いで録音しました。最近は(主に体力上の問題で(^^;)スモールダイアフラムの使用が多くなったのでめっきり使わなくなってしまいましたがC4000Bはやっぱりいい音で収録できますね。マッチドペアではない(そもそもマッチドペアというラインナップは無かった筈)ですがステレオ収録でも全く問題ありません。それに中国製などではなく歴としたMade in Austriaというのも嬉しいポイントです。
改めてネットで調べてみるとC4000BはAKG初(というより世界初だそうです)のラージダイアフラムバックエレクトレットコンデンサー型だそうで、エレクトレットだという事は以前から知っていましたが、某国内メーカーのECMとは雲泥の差です。エレクトレットコンデンサー(特にバックエレクトレット)がピュアコンデンサーに劣るという事はないのですが、某メーカーのECMの品質が低過ぎて悪いイメージが付いてしまい、私もある時点までECMを毛嫌いしていました。エレクトレットの欠点は経年で帯電させた電荷が抜けて使えなくなる事ですが、バックエレクトレットの電荷が抜け切るまでには100年程掛かるようなので(しかも簡単に充電出来るようですし)、内部の回路が故障しない限り自分が寿命で死ぬまで安心して使える事でしょう。(笑)

このマイクを買ってきてテスト録音した時に低音がおそろしく良く収録できてしかも滑らかな音にビックリした事を今でも鮮烈に覚えています。当時の価格が6万円程だったのであまり出回っておらずネットでも記事が少なく、某ナントカ袋であまり使った事もないクセに低評価をしている輩には笑ってしまいました。オーディオ(音響)機器界隈って大して使ったことがなくてもその製品の全てがわかってしまうまさに一を聞いて十を知る「超能力者」で溢れているのですね。道理でオカルトと揶揄される訳だ。(笑)

実際に録音してC414と比べてみると、音離れが良くクッキリしているC414、ソフトタッチでウォームなC4000Bという感じ(言葉で表現するほど極端な差がある訳ではない)ですが、解像力が劣るという事はなく細かい音もキッチリ録れています。同じメーカーだけあって音の傾向は似ており、どちらにも共通して気品のようなものを感じますね。何れにせよマイクの個性や好みに応じて使い分ければよいだけで、優劣とは違います。両方ともピアノにはよく合っていると思います。当時このマイクの半額以下で売っていて某音響機材ショップが激しくプッシュしていた某社のマイクにしようかとちょっと傾きかけた事もありましたが、経年で本体にサビみたいなものが出たり低音域が抜けたりするらしい(C4000Bは購入してから約20年、何度も使いましたが未だに新品のように綺麗です。防湿庫に保管していたという事もありますが)ので変な気を起こさなくてよかったと思います。(^^; 久し振りに動作チェックしてみましたが帯域、感度とも全く問題なしなのでまたこれで録音してみたくなりました。所謂ハイレゾで収録したらどんな結果になるのか試してみたいですね。尚、C4000Bはその後C4000と型番が変わってブラック仕上げになり付属ショックマウントがH100からH85に変更されましたが現在はディスコンです。ダビングの話から結局またマイクネタになってしまいました。(^^;

2020年2月24日月曜日

C414XLSで録音

またまたマイクネタで恐縮ですが、昨日23日に小さなホールで有志によるピアノの演奏会があり、そこで先日購入したAKG C414XLSを2本使用して録音をしました。今回は2台ピアノとソロ曲が混在するというちょっと変わった構成で、マイクは1回セッティングをすると途中で動かせないため取り敢えずピアノ2台にそれぞれ1本ずつ設置し、ソロと2台の音量差をなるべく縮小するため指向性はオムニに切り替えました。私はミヨーのスカラムーシュを弾いたのですが、この曲はプリモとセコンドで交互にテーマが出現するのでカーディオイド特性を利用してステレオ感を強調した録音をすると非常に面白い効果が得られると考えたのですが、今回それは諦めました。マイキングの狙いはピッタリ当たってソロでも2台でもステレオ感を殆ど犠牲にせず左右の音量的にもあまり違和感を感じず編集段階でちょっと調整してやるといい感じになりました。ピアノ1台に2本で計4本マイクを立てる事も考えましたがちょっと現実的ではないので2本だけでやる事にしました。

それにしてもC414は非常にいい音で収録できますね。まさにスタジオのあの音で、安物とは別世界です。今までは安いマイクでもマイキングでどうにかなるだろうと努力して来ましたが、やはりどうにも越えられない壁があって、ある程度のグレード以上のマイクでないと絶対に実現できない世界がある事を痛感しました。今回は諸般の事情でちょっと無理筋のマイキングをしたも拘わらず今までで一番良い音で収録できました。良いマイクはあまりよろしくない環境でも救ってくれるのですね。久し振りに重いマイクブームスタンドを2本抱え、大きなレコーダーを持っていった甲斐がありましたがただ一点、ピアノの調律が完全でなかった事が悔やまれます。C414を購入して本当に良かったです。今後メインで活躍してくれるでしょう。

2020年2月22日土曜日

ORTF方式マイクロフォンSuperlux S502購入

またまたマイクを買ってしまいました。SuperluxのS502というORTF(L'office de Radiodiffusion Télévision Française=フランス放送協会)方式のマイクで、ネットでスモールダイアフラムのマイクを検索していて見つけたものです。この製品、ショップスMSTC 64 Uの類似品なのですが本家は40万円位しますので趣味レベルではとても手が出ません。S502は送料込みで約2万円、ショップスの1/20で非常にリーズナブルです。Superluxのマイクは数機種を除いて日本国内では取り扱いがないのでebayでイギリスのショップから直接購入し、約10日で到着しました。
こんな感じで届きました。

外箱
ケース
Superluxは台湾の音響機器メーカーで以前購入したヘッドフォン(AKGの類似品)の性能が大変良かったので信用して買ってみた次第です。FostexのMC10STや米国SAMSON C02はおそらくSuperlux SMKH8KのOEMで同等品と思われます(無論、OEM各社用に仕様を若干カスタマイズしている可能性はありますが)。

ORTFは2本のマイクを17センチの距離で110度に開いて設置する方式で人間の頭部(耳)の構造を参考に設計されていて自然なステレオ感が得られるとされています。その他に定位の優れたマイキングにはNOS(オランダ放送協会)方式というものもあり2本のマイクを30センチの距離で90度に開いて設置します。

このマイクの簡易録音テストをしてみましたが特に不具合も無く(個人輸入?で怖いのが製品の初期不良なんですよね)、録音帯域もワイドレンジでXY方式のちょっと窮屈な感じとは異なり音場感豊かに収録してくれます。近々サークルの演奏会があるのでその録音に使用するのが楽しみです。

Superlux S502をネット検索しても日本語のサイトは出て来ないので、このマイクを採り上げるのは自分のブログが国内初かな。(笑)

2020年1月21日火曜日

宍戸錠氏死去

とうとうエースのジョーが逝ってしまわれました。高校時代に東京12チャンネル(現テレビ東京)で昭和30年代の日活アクション映画を頻繁に放送していたのを見てファンになりました。そういえば、高校2年の時にジョーという渾名のクラスメイトがいたのですが、頬の膨らみ具合が宍戸錠に似ているという事でそう呼ばれていました。(笑) 小林旭、赤木圭一郎など、日活ニューフェイスのアクション映画は本当に面白くて随分見ましたね。宍戸錠はシリアスな役柄の小林旭とは違ってどちらかというとコミカルな役が多くて大いに楽しませて頂きました。デビュー作の昭和30年の「警察日記」を見ると長男の宍戸開氏と瓜二つです。日活アクション映画は自分が生まれた頃の風景が写っているのが懐かしくて、話の筋立てはワンパターンでしたが好きでした。昭和39年になると東京オリンピックで急速に町並みが変わってしまったせいか、日活映画自体もなんだか面白くなくなってしまいましたね。奇しくも今年は東京オリンピックが開催されますが私は全く興味がありません。勝手にやってろって感じです。(笑) つい先日「拳銃(コルト)は俺のパスポート」という宍戸錠主演映画(これはかなりシリアス)のDVDを買ったばかりでしたので尚更残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。

2020年1月1日水曜日

明けましておめでとうございます

令和二年になりました。本年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。皆さまにとりまして良い一年になりますよう祈念しております。

2019年12月31日火曜日

本年もお世話になりました。

今年ももう後2時間を切りました。本年は忙しくてあまり更新できませんでしたが、当ブログをご愛顧頂きありがとうございました。来年はもう少し更新回数を多く出来ればと思っています。それでは良いお年をお迎え下さい。

2019年12月29日日曜日

AKG C414XLS 購入

某音響機材通販ショップでクリスマス割引セールをやっていたので思い切ってLDC(ラージダイアフラムコンデンサーマイク)AKG C414XLSを購入しました。本当はショップス(Schoeps)のマイクを使ってみたいのですが、いかんせん高価で1本30万円程度しますのでステレオ用に2本揃えると60万円も掛かる事になりとても手が出ません。現実的な値段でありスタジオ用途で長年幅広く使われている名品C414にしました。私は中学生の頃から生録が好きで、親父のポータブルステレオカセットテープレコーダーを借りては色々と録音を楽しんでいましたが、当時はダイナミックマイクや安い(といっても自分にとっては高価だった)ECM(エレクトレットコンデンサーマイク)しかなく、しかもどれも性能が今一つだったため音質については我慢するしかありませんでした。社会人になってから暫く経った20年くらい前に漸く一般庶民?にも手が届くLDCが手に入るようになり、1本1万円程度で買えたR社の「なんちゃってノイマン風」なLDCもありましたが、どうせ買うなら訳のわからん新興メーカー(当時の自分のイメージ)よりやっぱり老舗の赤毛でしょ!という事で当時1本5万円したAKGのC4000BというLDCをステレオ収録用に2本購入した時は、それまで生録に使っていた国産SDC(スモールダイアフラムコンデンサー)ECMのプアーな音に比べてあまりの帯域の広さや敏感さ、音の豊かさにビックリしたものです。C4000Bはバックエレクトレットコンデンサーですが、これまで自分が使ってきた国産ECMのイメージを吹き飛ばし、様々な録音で活躍しました。その後、海外のマイク専業メーカー製SDCにも興味が出てきて安価なものでも比較的評判の良いものを何本も買いましたが、やっぱり値段に比例して音も安っぽいんですよね。(笑) ローコストマイクにもそれぞれ良さはあるのですが、同じようなものを何本持っていてもあまり意味がないので安物路線はキッパリとやめて定番マイクを購入する事にした次第です。
届いたC414はハンガリー製でしたが、長年欲しかったマイクが現実に目の前にあると感激も一入です。このクラスになるとさすがに安物とは違ってマイク本体が入っているビニールの袋には乾燥剤が入れられて密封(シール)されていました。安物だと乾燥剤は入っていてもチャック式のビニール袋だったり、ただ袋をテープで留めてあるだけなので乾燥剤の効果が疑問な場合が殆どなんですよね。また、C414と同等のカプセルを搭載した廉価版C214C314もあるのですが、それ程大きくない価格差を惜しんで若しそれらを買ったとしても結局は上位版C414が欲しくなるに違いないので今回は一切の邪念を捨てました。(笑) 更に、新品よりは安い中古品は外観が綺麗であってもどのように扱われたか全くわからないので仮令どんなに安くてもことマイクに限っては中古品には決して手を出しません(今までの経験から中古品は低域に難のあるものが多い)。あとはマイク購入検討中にもう一機種だけ音質が抜群に良くて欲しかったマイクがあるのですがそれはまた後程懐に余裕が出来たら購入しようかと思います。取り敢えずマイクもここら辺で一旦打ち止めでしょうかね。

さて、購入したC414の肝心の音なのですが、簡易的にテストした結果は非常に良いです。C414にはステレオ用に特性が揃ったものを選別して2本セットにしたマッチドペアもあるのですが、それだといきなり価格が跳ね上がってしまう(2本買う値段の2〜5割増位になってしまう)ので今回はやむなく同じものを2本別々に購入しました。これは一種の賭けですが、購入した2本は添付されている周波数特性の実測グラフでは若干の違いはあるものの聴感上(レコーダーのLRレベルメーターも確認しながら)の感度(音量)差は特に無く、音質差も感じられませんでしたので、マッチドではないもののステレオペアとして何の問題も無く使える筈です。安物だとペアとして販売されているものであっても一聴して明らかに感度(音量)や音質に違いがありステレオで使うには厳しい場合が多いのですが、さすがはAKGの定番マイクだけの事はあります。来年2月にピアノサークル有志の演奏会があるのでC414を録音に使おうと思っています。やっぱり本当に欲しいものはケチらずに多少高価でも良い製品を買った方が結局は安上がりだという事を実感しました。(^^; 録音が楽しみです。