何故ピッチ調節の出来るCDプレーヤーが欲しかったのかというとアナログ期に録音された物の中には、元々回転数がおかしいと思われるものがあって、CD化される際にも修正されていないものがあるからだ。オーストリア、アマデオ版のフリードリヒ・グルダのベートーヴェン・ピアノソナタ全集は全体的にピッチが高く、そのまま聴いていると気分が悪くなってくる。また、ロストロポーヴィッチとリヒテルのベートーヴェン・チェロソナタ第三番はピッチが低く、これは初出のLPからそうで、そのままCD化したようだ。もしかするとこれらの録音は元々の楽器のピッチがずれていた可能性もあるが、A=440~442Hzに慣れてしまった絶対音感保持者にとっては苦痛以外の何物でもない。因みにグルダのソナタ集は約1.2%高く、チェロソナタは約1.7%低かった。基準(442Hz)に合わせて漸く安心して楽しむ事が出来た。
このプレーヤーはヘッドフォン出力もついているし単体の音も決して悪くないのだが、本機のデジタル出力(オプティカルではなく音質的に優位な同軸端子というのも素晴らしい)を愛用しているパイオニアのDAC機能付きCDプレーヤーに接続して更に高音質且つピッチ修正して聴けるので本当に有り難い。私のようにピッチの狂いが容認できない人間にとっては実に重宝する逸品だ。

0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントありがとうございます。
なるべく早くご返信できるように心がけておりますがブログの設定上、取り敢えず承認形式となっておりますのでコメントの反映とご回答まで少々お持ちいただければ幸甚です。よろしくお願いいたします。