先日ピアノサークルの定演がありましたので録音もかねて弾いてきました。使用したマイクはPreSonusのPM-2というマッチドペアのスモールダイアフラムコンデンサーで数年前に購入したもののなかなか出番がなく未使用状態でした。レコーダーも前に購入したものの使わず箱入り新品のZOOM F3です。 F3は内蔵マイクがなく最近特に無精度が増してきた所為でその後に購入したTASCAMのPortacapture X8の内蔵マイクで録音したりしていたのでなかなか出番がありませんでした。(笑) しかしレコーダー内蔵(付属)のマイクでは色々なマイキングを現場で時間が許す限り試してみたものの全く満足できず、XY方式は音像が中央に寄りすぎて全く好みではないし、AB方式はレコーダーの横幅から左右のマイク距離が短すぎて自然なステレオ感を得るには無理があり、やはり単体のマイクには敵う訳がないと意を決して(笑)マイク、レコーダー、マイクスタンド、他諸々のアクセサリーの重たい荷物を携えて会場に赴きました。前半はORTFで、後半はABで録音しましたが終了後家で録音を聴いてかなりよく録音されていて嬉しくなりました。かなり前BehringerのC-2で録音したときは音質自体はそんなに悪くなかったのですが低域が薄すぎて編集時にEQで大幅に調整しなければならず、FostexのMC10ST(おそらくSuperluxのOEM)はペアマイクでしたが左右でレベル差が6dB近くもあってステレオでは使い物にならず、MXLのCR21もペアでしたが4~5dB程度レベル差があって一旦返品し差が少ないものに交換してもらって(1dB程度だったらいいですが特性が著しく異なっているものをペアとして販売しないで欲しいです)録音してみましたが今ひとつ音に芯が感じられず1回でお蔵入り。やはりマッチドペアと正式に謳っていて2本の差が殆どないものではないとステレオ録音には色々支障が出ますね。尤もBehringerのB-1やAKGのC414XLS、C4000Bのように全く別々に購入しても殆どレベル差がなかったという偶々ラッキーな場合もありますが。余談ですがAKGは韓国資本になってから伝統のオーストリー・ヴィーンの拠点が閉鎖され職員も大量解雇で現在は嘗てとは違った単なる米国拠点の企業になってしまったようです。PM-2はテスト段階で見事なまでに2本の差が殆どなく(最大で0.3dB程度)さすがにマッチドペアとして販売されているだけのことはあります。製造は中国ですが設計は米国PreSonus社で、台湾や中国メーカーの既製品を単にメーカー名や型番だけを変えて売っているものではないので強くお勧めしたいのですが残念ながら現在はディスコンです。何と言っても安価なスモールにありがちな中高域が強調された硬い音ではなく、高低のバランスが良く響きが豊かでスモール特有の鋭さや解像度も兼ね備えていて、プロ並みの腕前を持った奏者の録音ではきっちりとスタジオ録音された市販CDのような音が聞こえてきました。非常に音楽的で高性能なマイクです。経験的にマイクとレコーダー(内蔵マイクプリ)との相性もあり、PM-2とF3の相性は大変良い感じで感銘を受けました。他に記憶に残っているところではSuperluxのS502とTASCAM DR-40(初代)の相性も抜群でした。それから以前から思っていましたが録音が成功するには楽器の状態はもちろんのこと奏者の技量が本当に大事でタッチやペダリングが安定しないアマチュアの演奏ではいくら機材が良くても本領が発揮できないということを改めて感じた次第です。現在、録音は仕事にはしていないのでマイクは比較的安価なもののみを使っています。ショップスとかノイマンとか欲しいことにかわりがありませんが、スタジオで毎日のように商売で録音する訳ではなくさすがにマイク1本に数十万円(最近は円安で更に高騰)は出せません(維持管理も大変)ので自分で楽しめる範囲でやっていこうと思います。安物とはいえやっぱりマイク沼にはまっていますが。(笑)