早速CD化しようと思ってテープを巻き戻したら、経年劣化のためにリーダーテープの部分が破断してしまいました。(T_T) 昔のフジのカセットテープはこの部分が弱いというか劣化しやすいのでよく破断します。まあ、でもリーダーの部分なので、繋ぎさえすれば本編は全く問題なく再生できます。さて、テープを繋ぐためのスプライサーは以前持っていましたが、ここ10年以上カセットを聴かなくなってしまったので行方不明。仕方がないのでセロテープで応急処置(笑)後、ピッチと磁気ヘッドのアジマスを慎重に合わせてできる限り録音時の特性を正しく再現しつつCD化しました。(^^; 余談ながら、民生用カセットデッキのアジマスを弄ることは、録音と再生の整合性がとれなくなってしまうので御法度なのですが、一応基準テープがあるのと、新たにカセットテープに録音することはないと割り切っているのでガンガン弄っています。決してお薦めはしませんので念のため・・・
「オーロラIII」は最初ゆったりとした琴の旋律から始まり、煌めくようなピアノと、動きが細かくなった琴の上にヴァイオリンや尺八の朗々としたソロが奏され、まさにオーロラの光が交錯するような非常に官能的な、それでいてどこか禁欲的な作品です。それまで古典派からロマン派の世界にどっぷりと浸っていて「現代音楽など音楽ではない」と考えていた自分の目(耳)を開かせてくれた忘れられない曲です。勿論、今聴いても本当に素晴らしい。一柳さんの曲は、内容的にも作品構造的にも、いかにも一柳的な作品で、特に自作自演のピアノの音色が美しく、つくづくピアノの上手い人なんだなあと感じました。「一柳さんの音」なんですよね。石井さんの作品は和と洋を現代的な解釈で融合させようという意思や、エネルギッシュな展開がいいですね。いずれも1981年の作品ですが、「日本の現代音楽が至極充実していた時代」だからこそ生み出されたものではなかったかと個人的には思っています。これ以降「現代の音楽」という番組が楽しみになり、現代曲に接する時間の方が長くなって現在に至るわけですね・・・(笑)
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思い出のカセット?(笑) |