先日、Nuendoをアップグレードしたばかりですが、Digital Performerが半額セールをやっていたので、よせばいいのにこちらもアップグレードしてしまいました。DPも歴史が長く旧Macをメインで仕事に使用していた頃、愛用のシーケンサーVisionが終了してしまったので代替としてDP2.8を購入しました。USB MIDIインターフェイスがぼちぼち出てきて、シリアル接続のMIDI IFだと音数が多い部分でテンポが若干よれたり各パートのタイミングが合わなかったりするのですが、MOTUは対応ハードウェアとDPを一緒に使うことによってより正確にMIDIデータを送受信できるMTSという規格を開発したのでそれにも魅力を感じてDPを導入しました。何しろ当時はPCでオーディオデータを扱うには全く非力(ソフトウエア音源もありましたがレイテンシーが大きすぎて使い物になりませんでした)で、まだまだMIDI音源モジュールが大活躍していた時代でした。確かにMIDIデータの遅れは少なくなり、他のメーカーも同じような方式のMIDI IFを売っていましたね。
DPは長い間Mac専用でVersion8になってからやっとWindowsに対応したのでその時にデモ版を使ってみましたが日本語は使えないしトラックの縦幅が拡大できず非常に見にくく、ネットでは動作不安定という噂も見て保留にしました。なぜ他のDAWがあるのにわざわざDPまで導入したかったのかというと、旧Macのシーケンスデータの遺産が結構あって、デモ版を使ったときMacで制作したDPのデータをWinのDPで直接読めたからです。Visionもそうでしたがチャンクという機能があり、一つのファイルに複数のシーケンスを含ませる事が出来ます。Aというシーケンスを一部変えた別テイクBというヴァリアントを作って聴き比べをしてより良いテイクを選択したり楽器編成を変えた別バージョンを作ったりと、わざわざ別ファイルを読み込んだり保存することなく一つのファイル内で瞬時に別テイクに切り替えが出来るため非常に便利でした。中には10以上のヴァリアントを含んだものもありそれを他のシーケンサーにデータ移行するとなると標準MIDIファイルをチャンクの数だけ書き出さなければならず大変手間がかかり、ネイティブでファイルが読み込めれば一発でロード出来る(トラック名もそのまま継承出来る)のでいつかは購入したいと考えており、バージョンも上がって日本語にも対応しており不安定との噂も聞かなくなったので半額セールを機会にアップグレードしました。2000年に2.8を導入しているので22年ぶりのアップデートになります。Version8が2013年なのでそれでももう10年弱経っていることに驚きです。最初に2.8を導入したのがまだ30歳代、月日が経つのは本当に早いですね。
Version8の時にアップグレードしようと考えた際には、確か代理店にソフトウェアパッケージに付属しているシリアルナンバーの画像(コピー)を送って承認されてからでないと購入できなかったはずですが、今はそういう面倒なことも必要なく普通にアップグレードできました。サポートには全く期待できない日本の代理店(しかもころころ変わる)を通さず直接MOTUから買えればいいのにと本当に思います。以前、MOTUに直接問い合わせをしたことがあるのですが、返信も早く親切でした。それに比べると日本の代理店は返信が遅いばかりでなく無視されることもあって総じて駄目です。
さて、使ってみましたがやはり2.8の時とは印象が違いますね。操作の明快さが薄れて使いにくくなっているかも。ただ、他のDAWと同様にほぼMIDIだけの時代とは異なりプラグインエフェクトが増えたり波形編集の機能も細分化されているのでこれは仕方がないですね。CubaseやNuendoに慣れてしまっているのでメインの座を占める可能性は低いとは思いますが、DPにしか出来ないこともあるはずなので気長に付き合っていきたいと思います。
DP11の画面 |
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