2017年3月9日木曜日

ナショナル・クーガ118のジャイロアンテナ修理

仕事の忙しさにかまけて長らくサボっていたブログを漸く更新しました。(^^;

私が小学校を卒業して中学校に進学した当時海外短波放送を聴取する趣味(BCL)が大流行していて、親にねだって今は無き秋葉原の石丸電気2号店で買って貰ったナショナル(パナソニック)の短波ラジオ、クーガ118(RF-1180)のジャイロアンテナが何故か急に自立しなくなったので分解修理しました。ジャイロアンテナは中波放送を受信する際に回転させて放送局の送信アンテナと直角の向きに合わせる事により受信効率(感度)を上げるアンテナで、ナショナル製のラジオ、クーガのトレードマークみたいなものでした(現在でもパナソニックの製品のホームラジオにはジャイロアンテナを装備した商品があります)。このアンテナを把手代わりにして壊してしまう例が多いのですが、私はそのように乱暴に扱った事は一切なく、最近遠方の中波放送を受信するためにジャイロアンテナを使おうとして持ち上げたら何かが引っかかるような手応えを感じた直後に自立しなくなりました。暫くその状態のままで使っていましたが、丁度仕事の納品が終わって一段落しましたので修理に着手した次第です。

まず、ラジオの裏蓋を外しジャイロアンテナユニットを取り付けているネジを外し本体から分離してメカニズムの様子を見たのですが何処が故障しているのかよくわからなかったのでアンテナから本体に接続している4本(青、水色、灰色、白)のリード線を半田鏝を使って全部外します。ラジオ本体から完全に分離したジャイロアンテナユニット内のアンテナを自立させる役割をする金具を外してみると何故かバネのコイルの間にベアリング球が挟まっていました。これでは金具にベアリング球が接する事もないのでアンテナが自立しなくなる訳です。おそらく製造時に塗布されたグリースが経年劣化で硬化してしまったところに力が掛かり故障したと推察します。外した金具やスプリング、ベアリング球を無水エタノールで洗浄し、歪んだバネはなるべくオリジナルの形状に戻すべく修理します。ジャイロアンテナを構成するプラスチック製の部品には幸運な事に全く破損がなかったのでバネとベアリングを所定位置に配置して角度調節用の金具を取り付け新しいグリースを塗り込みます。しかし非常に微妙な部分なのですんなり一度では終わらず、何度も失敗を重ねて漸くバネ、ベアリング、金具を元通りの位置に納めました。この状態でジャイロアンテナが自立するかどうかを確認したところ元通りに快適に動作するようになったので本体に組み込み、外したリード線を所定の位置に元通り半田付けして修理完了です。さすがに40年以上経っているグリースはかなり劣化して粘着力が強くなっており触った手がベトベトになったため石鹸ではなかなか落ちずKUREのニューシトラスハンドクリーナーで手を洗って漸くスッキリしました。

組み上げ後はジャイロアンテナが元通り確りと自立して快適そのものです。ただ、内蔵アンテナを保持しているスポンジが劣化しておりアンテナケースの僅かな隙間からボロボロと落ちてきます。掃除機で吸い取りましたが未だ若干残っているようです。クーガ118はダブルコーンスピーカーに加えてラウドネススイッチや高音や低音が独立して調節できるので非常に音質が良くラジオ自体の感度の劣化も殆どみられないのでこれからも長く使っていきます。フィルムダイアル越しに気持ちだけは諸外国へトリップしていた若い頃が懐かしいですね。そういえば、本機に装備されているMPX(マルチプレックス) OUT端子にFMステレオ復調ユニットを繋いでFMステレオチューナーとしても使っていました。40年以上愛用してきたラジオの寿命が先か、自分の寿命が先かは神のみぞ知る。(笑)
新品で購入してから40年以上の付き合いになる
若い頃の思い出が沢山詰まった愛機ナショナル・クーガ118
(National Panasonic COUGAR RF-1180)
修理後はジャイロアンテナが確りと自立するようになりました。
ジャイロアンテナからの配線
取り外したジャイロアンテナから出ているリード線

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