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2026年9月19日土曜日

鐵針ピツクアツプ

以前日本コントロール工業というメーカー製で戦後の電磁式ピツクアツプ(下画像左側)の修理改造を記事にしました。右側はその後に入手した松下電器製作所(ナシヨナル・現パナソニツク)製のNo.775で戦前の製品です。こちらも機械式蓄音器のトーンアームに取り付けるタイプで、ちやんと音が出たので出力コードの先のピンを蓑虫クリツプ→モノラルジヤツクに變換するケーブルを自作しました。普段SPレコードをダビングする際にはSP專用のフオノカートリツジを使用して解像度が高いシヤープな音を得ますが、鐵針ピツクアツプには獨特の味わいがあつて時々聴きたくなります。

【説明書より】
※尚、戦前は小さな字「っ・ゃ・ゅ・ょなど」は使いませんでした。
PCだと旧字體を余り網羅していないのが實に腹立たしいです。

No. 775 ナシヨナルピツクアツプヘツド

勝れたる忠實度と瀟洒たる外觀を以つて賞讃を博して參りましたナシヨナル ピツクアツプの姉妹品として、構造に体裁に新たなる設計を以つてし、 原音に忠實なるは申す迄もなく、再生電壓最も強大なれば音量の豊富雄大なること他に比を見ません。蓄音器の電氣化用として廣く御愛用を賜るものと確信致します。

使用法

本ピツクアツプヘツドは音量を豊富ならしめる爲再生電壓の出力を強大に設計してあります、隨つて低周波第一段增幅に下記眞空管を用ひたるセツトの塲合には眞空管が入力に對して飽和の現象を起し音質を著しく損じますから、ボリユームコントロール (2萬~5萬オーム)を挿入し適當に調節して御使用願ひます。 UY224. UZ58. UZ57.

松下電器製作所第一事業部


2026年9月15日火曜日

蓄音器

 ネットで購入した蓄音器が届きました。学生時代に友人宅で非常に状態の良いワンオーナー(友人の祖父が勤務先の満洲で戦前に購入)の蓄音器、アメリカ・ヴィクター製のスタンド型VV4-40の美音を聴いてから熱狂的な蓄音器ファンになり、親父が若い頃買って持っていたSP(78廻転)レコードを再生したくて恵比寿の骨董屋で日本ビクター製のJ(VV)1-80(擬似エクスポネンシャル[*]木製ストレートホーン)を購入しました。当時は大した知識も無かったので取り敢えずビクターの物を入手した訳ですが、サウンドボックス(針を着けてレコードの音溝の振動を空気振動に変換する所謂ドライバー)が経年劣化で割れていたり(鋳物なので経年で皹が入りボロボロに割れる、大量生産前の極初期のものは真鍮製なので割れない)して音がビリついて良い音が出ませんでした。その後卓上型の名器と謂れるリエントラント(2分割木製エクスポネンシャル)ホーンを装備したVV1-90を入手しましたが、矢張りサウンドボックスにビビりがありホーン音道の底板に割れがあってそこから空気漏れして低域が出ず中々満足な音が得られませんでした。日本製のVV1-90は造りというよりも材質がダメだなぁと感じてそれ以降は米国製のVV1-90を探しましたが中々満足する製品に出会えませんでした。まぁ、本家のクレデンザでも木製ホーン故の経年の膨張収縮の繰り返しにより生じたリーク(隙間)が空気漏れを起こして低域が薄い音になってしまっているものが殆どでした。これまで何台ものクレデンザを聴いた経験でもホーンの大きさの割には中高域だけしか聴こえて来ない製品ばかりでガッカリしたものです。その点ではしっかりと溶接されリークが発生しにくい金属製ホーンの小型スタンドタイプの英HMVのMODEL 157の方がよほどバランスの良い朗々とした音でした。その後戦後に製造された日本コロムビア製のポータブルを買いましたが、これは音が良かったですね。ただ、蓄音器を扱う商売人の裏側を知った為、一時期蓄音器への興味を完全に失って全ての蓄音器を売り払ってしまい暫く蓄音器がない状態が続きました。10年程前から再び蓄音器への興味が再燃して2分割エクスポネンシャル金属ホーンの日本コロムビア製のNo.116を皮切りに同じ日本コロムビアのNo.109(こちらはエクスポネンシャル木製ストレートホーン)、イギリスHMV(グラモフォン社)の卓上型Model 130(金属製エクスポネンシャルストレートホーン)、日本のオーゴン(洋々社)製(当時は先進的な樹脂製2分割エクスポネンシャルホーン)、日本ビクター製最廉価品J1-35(1-80と同様の擬似エクスポネンシャル木製ストレートホーン)を入手してSPレコードを楽しんでいました。数日前ネットを見ていたらアメリカ・ヴィクター製の珍品卓上型T-90を見つけてついつい買ってしまいました。これは当時極東輸出向けに製造された物で日本には(日本ビクター蓄音器株式会社が設立されていた為)直接入ってはいないようです。オートストッパーやトーンアーム等の金属部品はVV1-90と同じ物ですがホーンは1-80と同等の擬似エクスポネンシャル木製ストレートホーンです。自分は擬似エクスポネンシャルストレートホーンは日本ビクターの設計かと考えていましたが、本家アメリカ・ヴィクターでも製造されているので、組み立てに手間がかかる2分割ホーンの代わりに簡易型をアメリカ本社で設計したと思われます。サウンドボックスは勿論アメリカ・カムデン製で経年の割れも見当たらずビリつきも無い非常に状態が良い物で、発条モーターも整備され廻転も安定しており満足の行く物でした。日本ビクター製も悪くないのですが、日本特有の湿気の所為なのか何となく音が重たく地味な感じがしてアメリカ・ヴィクターの明るく軽快な音が欲しくて手を出しました。実際に再生してみて予想通りの明るく軽快な音で、暫くはこれでSPレコードをアコースティックで楽しめます。

*擬似エクスポネンシャルとは私が勝手に命名したもので一般的には通用しないと思います。これはVV1-90、VV8-30(CREDENZA)、HMV MODEL130等のように物理的な音響インピーダンスの整合を前提条件としたトーンアームからホーン開口部までを指数(エクスポネンシャル)関数に基づいて正確に曲線で成形したものではなく、指数の要所を大雑把に直線で構成した簡易なホーンで、おそらく開発元のウェスタンエレクトリックに支払う高額なパテント料を回避して製品を安価に提供する為に音質低下を極力避ける形で開発された物だと理解しています。実際に未だ聴力が絶好調だった20代の頃VV1-90とJ1-80を比較したのですが、音質の違いは軽微なものでした。矢張り流石はアメリカ・ヴィクターだけあって試聴を繰り返して大きく質を損なわないような形で製造過程での省力化を実現したものと今更ながら感嘆します。この後アメリカ・ヴィクター・トーキングマシン社はRCA社に買収され真空管を用いた電蓄に移行した為アコースティック蓄音器の最終形となりました。T-90に関してはRCA時代になっても販売されていたようで天板の裏に旧来のVictrolaではなくRCA Victorのデカールが付けられた製品も存在します。アコースティック蓄音器も研究すればする程奥の深い世界ですね。

T-90の外観、丸い脚が付いており中々可愛らしい卓上型蓄音器です。ホーン開口部のサランネットもオリジナルのままです。英HMVの蓄音器にはサランネットの裏に金属製のネットが取付けられておりネットの損傷は比較的少ないですが、T-90には木製の支柱があって何もない日本ビクター製とは異なりネットの保護に寄与していると思います。

銘板 (シリアルナンバーは製品の特定を避ける為画像編集ソフトウェアで消しています。)

2024年2月23日金曜日

鉄針ピックアップその2

 ネットでSPレコード用の鉄針ピックアップを入手しました。ゼンマイ(或いは電気モーター)式蓄音機のサウンドボックスを外したトーンアームに取り付け、一般的には真空管ラジオ等のピックアップ入力端子に接続してレコード再生するものです。トーンアームの取り付け径の細さから考えると戦後のポータブル蓄音機向けでしょう。鉄針ピックアップの利点は現代のSP用カートリッジがダイレクトにスクラッチノイズを拾って五月蠅いのとは異なり鉄針を使用することでノイズが柔らかく聴きやすくなることです。但しそれ故情報量(解像度)が若干落ちる事も考えられますが少なくとも以前入手した戦前のナショナル製鉄針ピックアップの音はノイズが減ってとてもいい感じでした。

本体の刻印を見ると日本コントロール工業(現在の同名企業とは異なる)の製品ですが、おそらく戦後昭和20~30年代前半位の時期に製造された物ではないかと思われます。
オリジナルのシールドケーブル付きでしたが絶縁体の経年劣化でショートしており、更に100Vコンセントプラグが取り付けられていました。本来ならピックアップ用のプラグが付いているはずですが前オーナーが代用として交換したのでしょう。いずれにしても使えないので廃棄しました。
ピックアップ内部はU字型マグネットと針の振動を直接拾うコイル、そしておそらくはボリューム調節用の可変抵抗器で構成されています。所謂MC(ムービングコイル)型ですね。コイルに繋がっている線を外さないように細心の注意を払いながら現在市販されているシールドケーブルと交換しました。

筐体内が狭くケーブルの抜け止めに結びを作ることが出来ないため本来なら留め金等をケーブルにカシメればいいのでしょうが使える物がないため苦肉の策として自己融着テープをケーブルに巻いて孔よりも太くして抜け止めとしました。融着しているとはいえ強く引っ張ると力に負けて抜けそうですが丁寧に扱えば大丈夫です。早速オーディオインターフェイスに繋いで針留めのネジを触るとゴソゴソと音がしたのでコイルは断線していないようです。実際にSP盤の再生試験はしていませんが問題なく音が出ると思います。回転つまみはボリュームと思われますが、抵抗体の経年劣化なのかボリューム調整は出来ませんでした。手持ちのポータブル蓄音機はどれもゼンマイが不調なのでいずれは修理して試したいと思っています。尚、この種のピックアップに使う鉄針はソフトトーン(或いはハーフトーン)用が最適で、ラウド等の大音量用の鉄針を使うと振幅が大きくなりすぎて歪み(クリップし)ます。

2020年6月21日日曜日

鉄針ピックアップの修理

戦前のナショナル(松下無線:1935~1944)製SPレコード再生用鉄針ピックアップを入手しました。現パナソニック・テクニクスのご先祖様ですね。型番はNo.776(製造番号?)で、学校の理科の実験などでよく目にするU字型磁石の内側にコイルが入っており、針の振動をコイルに伝えて発電する所謂MC型です。
鷲?のマークが素敵です
型番(製造番号?)と製造者名
元々付いていたシールドケーブルはおそらくオリジナルだと思われますが経年劣化で芯線の被覆がボロボロになっていてショートしそうなので、劣化したケーブルを取り外し新品のシールドケーブルに修理交換し、音響機材に接続しやすいように標準プラグを取り付けました。(元々はラジオに繋いで聴いたと思われます)

劣化した昔のシールドケーブル(シールド網線が剥き出し)
新しいシールドケーブルに交換して標準プラグを取り付け
鉄針式ピックアップの音を聴くのは初めてなので興味津々です。ドイツ・グラモフォン(ポルドール)のポリファー号(マイカサウンドボックス付ポータブル蓄音器)のサウンドボックスを外してトーンアームに取り付けて再生してみました。ポリファーの細目のアームにピッタリと入りましたので、ビクターオルソフォニックや英HMV No.5用のアームだと太くて取り付けられないかも知れません。最初サウンドボックス用のラウド針を取り付けてみたところ全体的にモコモコした変な音で特に大音量部分で酷い歪みが発生したため細い小音量用のハーフトーン針に変えたら良い音が出るようになりました。針式ピックアップにはハーフトーン針(かそれ以下の細いもの)が最適で、サウンドボックスのように1面で消耗してしまうという感じでは無く余裕があります。音は現在のSP用カートリッジで再生する時のようなきつめの針音とは違ってスクラッチノイズがあまり目立たずいい感じで鳴ります。
ポータブル蓄音器に取り付けて演奏中
メモリーレコーダーにダイレクト接続して録音したのが下記の動画で音質調整などは一切しておりません。戦前に製造された鉄針式ピックアップの音を聴いてただければと思います。但しモーター未整備のポータブル蓄音器のため回転(ピッチ)が途中で不安定になってしまう事をご了承ください。レコードはコルトー演奏のショパン・エチュード(別れの曲)国内盤です。

2015年10月12日月曜日

早速タイトボンドを使ってみました

昨日はピアノ仲間宅でBBQがあって遊びに行きました。昼過ぎからビールで飲酒が始まりワインなどを次々に飲んでかなり酔っ払いました。(^^; その状態でショパンのアンダンテスピアナートと大ポロネーズを初見で弾いたのでもうグタグタになってしまいました。(笑) 友人宅がかなり遠かったので帰ったのは午前様で帰宅後直ぐに爆睡です。

さて、今日は土曜日に購入したタイトボンドを剥がれてしまった板に使ってみたら、硬化時間が短いので30分ほど固定しただけでかなり強固に接着できました。これは便利です。古い板同士の接着だったので木材の経年の収縮で僅かに隙間があり、後日この部分をパテで埋めて塗装したら修理完了です。

2013年4月30日火曜日

検索ワード

深夜放送を聴くのが好きで、特に伊集院光氏の TBS ジャンクは、世代が近いということと物事の掘り下げ方が自分好みなので毎週楽しみにしているのですが、今回伊集院氏が番組内で、下町を歩いた際にババア(笑)から貰ったという某商品名(古い音響機器)を語ったところ、そのワードで自分のホームページに多数のアクセスがありました。(笑)  ネット時代とは雖もやはり既存の放送媒体の影響は深夜にも拘わらず非常に大きいということを改めて実感しました。伊集院氏が番組で語った商品名はちょっと不正確だったのですが(グラフォーンではなくグラフォノーラです)、それでも検索ワードとして即座に関連づけてしまうネット検索のアルゴリズムにもちょっと吃驚しました。(^^;

蓄音器の蓋にプリントされたビバ・トーナル・グラフォノーラ マーク