ピアノの低音弦は理論的にはもっと長くなければならず、普通のピアノの弦は本来の長さよりもかなり短いらしいです。そこでドイツのピアノ製作者のダヴィッド・クラヴィンス氏は高さが3.7mもある重さ20トン以上の巨大なアップライトピアノを製作しました。鍵盤やアクションは上の方に付いていて、奏者は階段を上って席に着きます。1980年代にオーディオ評論家の長岡鉄男氏が推薦盤として雑誌にこのピアノが収録されたCDを紹介されたのを見て早速買いました。確かに低音域の迫力は凄いのですが、演奏(ベートーヴェンのピアノソナタでしたが)はあまり良くなかったです。というより、この巨大なピアノを演奏するには独特のテクニックが要るんじゃないか(普通のピアノを演奏するような方法だと楽器の良さを引き出せないのではないか)という気がします。この巨大ピアノは1980年代終わり頃に解体されたと聞きましたが、復活していたようです。
一度弾いてみたいピアノの一つですが、ドイツまで行かなければならないので現実的でなく、音だけでもサンプリングで出せるようになったのでついこの音源を買ってしまいました。ピアノ音源は複数持っているのですが、1本でオールマイティーというものがなく、曲のジャンルや曲想で使い分けるというのが現実です。取り敢えず購入記念に、三善晃氏のヴァイオリン・ソナタのピアノパート冒頭部分をちょっと弾いてみました。(^^;
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